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イノベーション

ALT2025活動計画骨子(案)

ALT2025活動計画骨子(案)

技術と創造力の融合でイノベーションに挑戦

当社は2025年度の社内ライトニングトーク(ALT)活動において、技術と創造力を融合させた新商品開発の模擬体験プログラムを実施します。この革新的な取り組みは、従業員のスキル向上と創造性の育成を目指し、3つのフェーズで構成されています。

【留意】ここに記載された内容は2024年11月の時点で検討中のものです。今後さらに実現性などを関係者と詰めていき、2025年の1月中に最終案を提案する予定です。

2025年のALT活動計画骨子(案)

ALTの活動開始から2か月間、つまり3月から4月にかけて集中的な基礎研修を実施します。この研修の主な目的は、参加メンバーが毎回同じような技術の習得に時間を費やしている現状を解消することです。

統一された基礎知識と技術スキルを提供することで、以降のイノベーション活動をより効率的かつ効果的に進めることができます。

また、この研修の講師は若手からも選出する予定です。これにより参加者全員に定番の技術要素を効率的に習得してもらい、その後のイノベーションをより創造的で生産的な協働へと促進します。

第1フェーズ:基礎研修(3月〜4月)

2025年度の社内ライトニングトーク(ALT)活動の第1フェーズでは、基礎研修を通じて参加者が新商品開発に必要な技術と知識を習得します。このフェーズは、イノベーション理論を学び、実践的なスキルを身につけることを目的としています。特に、2024年度にはイノベーション理論の講義後にアイデア出しを行い、その顕著な効果が確認されました。この成功を受け、参加者が直面する課題を効率的に学べるように、各テーマの講義を体系化することが重要視されています。

1. イノベーション理論と実践事例

イノベーションの基本概念や成功事例を学び、創造的思考の基礎を築きます。これにより、参加者は新しいアイデアや製品開発の背景にある理論を理解し、自らの発想力を高めることができます。

2. IoT用ボード(Raspberry Pi/Arduino)の基本操作と応用

Raspberry PiやArduinoを使用して、センサーやデバイスとの接続方法を学びます。これにより、IoT技術の基礎を理解し、実際のプロジェクトで活用できるスキルを身につけます。

3. Unity開発環境の使用方法

Unityの基本操作から始め、3Dゲームやシミュレーションの開発手法を習得します。これにより、インタラクティブなコンテンツ制作に必要な技術的スキルが向上します。

4. NVIDIA Jetsonを用いたAI処理の基礎

エッジAI技術の理解を深めるために、NVIDIA JetsonプラットフォームでのAIモデルの実行方法や画像認識技術について学びます。これにより、AI技術がどのように実世界で応用されるかを体験します。

5. OpenAI GPTモデルとLangChainの概要と使い方

自然言語処理技術について学び、OpenAIのGPTモデルやLangChainを使用したアプリケーション開発の基礎を習得します。これにより、言語生成技術が持つ可能性について理解が深まります。

6. OpenCVによる画像処理の基本

OpenCVライブラリを使用して画像処理技術の基本的なアルゴリズムや手法を学びます。
これにより、画像認識や解析に関する実践的なスキルが身につきます。

 

以上のように、この基礎研修では、参加者が新商品開発に必要な幅広い技術と知識を取得することが期待されており、それぞれのテーマは今後のアイデア創出やプロトタイプ作成へとつながる重要なステップとなります。

また、社内から選抜された若手講師による指導も行われるため、新しい視点や知識が共有されることも大きなメリットです。参加者はこの研修を通じて、自らのスキルセットを拡充し、新たな挑戦への準備が整うことでしょう。

第2フェーズ:アイデア創出と選定(5月〜6月)

2025年度ALT活動の第2フェーズでは、革新的なアイデア創出に焦点を当てます。この2ヶ月間、参加者は創造的思考の技法を学び、実践することで、新商品開発のための斬新なアイデアを生み出します。
第2フェーズ終了を、これまでの成果をALTで発表します。その際にプレゼンテーションの資料の作成方法を学びます。

ブレインストーミング

ブレインストーミングは、グループで自由にアイデアを出し合う手法です。参加者は批判や評価を恐れずに発言し、多様な視点から新しい解決策を探ります。このプロセスでは、量を重視し、後でアイデアを評価することで創造性を高めることができます。参加者同士の相互作用が促進され、思いつかなかったアイデアが生まれる可能性が高まります。結果として、革新的な解決策や新商品開発の基盤となるアイデアが得られます。

SCAMPER

SCAMPERは、既存の製品やサービスを「代用」「組み合わせ」「適応」「修正」「他用途」「除去」「逆転」の7つの方法で改良し、新しいアイデアを生み出す手法です。このフレームワークは、参加者が既存のアイデアに対して異なる視点から考えることを促します。各質問に対する回答を通じて、新たな発想や革新が生まれ、既存の製品やサービスの価値向上につながります。短時間で多くのアイデアを得ることができるため、ビジネスシーンでも広く活用されています。

マインドマッピング

マインドマッピングは、中心となるテーマから放射状にキーワードやアイデアを展開し、直感的に関連付けを見つけながらアイデアを図式化する手法です。この方法では、視覚的な要素が強調されるため、思考が整理されやすくなります。参加者は自由に関連する情報やアイデアを追加しながら、全体像を把握することができます。これにより、新しい関連性や洞察が見つかりやすくなり、創造的な発想が促進されます。

KJ法

KJ法(川喜田二郎法)は、情報を視覚的に整理し、グループで意見を統合することで新たな洞察を得る手法です。まず個々の意見や情報をカードに書き出し、その後それらをグループ化して整理します。このプロセスによって共通点や関連性が明らかになり、新しいテーマや問題解決策が導出されます。KJ法は特に複雑な情報の整理やチーム内での意見統合に効果的であり、問題解決への道筋を示す役割も果たします。

SWOT & PEST分析

SWOT分析は組織の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を評価する手法です。一方、PEST分析は外部環境の政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)要因を分析します。これら2つの手法を組み合わせることで、戦略的な意思決定が可能になります。SWOTとPEST分析は市場動向や競争環境を理解するための基盤となり、新商品開発やビジネス戦略策定において重要な役割を果たします。

第2フェーズでは、革新的なアイデア創出に注力し、参加者は創造的思考技法を学びます。オフサイトミーティングで活発なアイデア交換を行い、多様な視点から新たな発想が生まれることが期待されます。
出されたアイデアはメンバー全員で検討し最終的にテーマを選定します。

この過程では、技術的実現可能性や市場性を考慮し、最も有望なアイデアが選ばれます。参加者はこの経験を通じて創造的思考力を磨き、次のフェーズでのプロトタイプ開発に向けた基盤を築きます。

第3フェーズ:プロトタイプ開発(7月〜11月)

2025年度ALT活動の第3フェーズでは、7月から11月にかけて、参加者が選定したアイデアを基にプロトタイプ作成に取り組みます。このフェーズは、基礎研修で学んだ技術を実践的に活用する重要なステップです。

参加者は、IoT技術、AI処理、画像処理などのスキルを駆使し、具体的な製品やサービスの形にします。プロトタイプ作成では、チームでの協力が不可欠であり、各メンバーが持つ専門知識やアイデアを活かしながら進めます。これにより、技術的な課題解決能力やプロジェクト管理スキルも同時に養われます。

また、このプロセスでは定期的なフィードバックセッションを設け、進捗状況や課題を共有し合います。参加者は他のチームからの意見を受け入れ、改善点を見つけ出すことで、より完成度の高いプロトタイプを目指します。

最終的には、完成したプロトタイプをALTで発表し、その成果を共有します。この経験は、新商品開発における実践的なスキルと自信を育む貴重な機会となるでしょう。

ALT2025のプログラムの特徴と期待される効果

このプログラムの特徴は、最新のテクノロジーを学ぶだけでなく、それらを創造的に組み合わせて新しい価値を生み出す過程を体験できる点にあります。
IoT、AI、VR/AR、自然言語処理など、現代のデジタル革命を牽引する技術を総合的に学び、実践することで、参加者は未来の商品開発に必要な複合的なスキルセットを獲得できます。
さらに、社内の若手人材を講師として起用することで、知識の循環と組織の活性化も図れます。これは、次世代リーダーの育成にも寄与する取り組みといえるでしょう。

おわりに

本プログラムによって当社は技術力向上だけでなくイノベーション文化醸成も目指します。参加者が得た知識やスキルは今後の商品開発や業務改善にも大きく貢献することが期待されます。2025年度ALT活動は当社未来担う人材育成への重要な一歩となるでしょう。

以上

筆者プロフィール
ケニー狩野(中小企業診断士、PMP、ITコーディネータ)
キヤノン(株)でアーキテクト、プロマネとして多数のプロジェクトをリード。
現在、株式会社ベーネテック代表、株式会社アープ取締役、一般社団法人Society 5.0振興協会評議員ブロックチェーン導入評価委員長。
これまでの知見を活かしブロックチェーンや人工知能技術の推進に従事中(運用サイト:https://arpable.com)
趣味はダイビングと囲碁。2018年「リアル・イノベーション・マインド」を出版。