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イノベーション

ひかりでつながる未来:IOWNってなに?

ひかりでつながる未来:IOWNってなに?

IOWN(アイオン)とは、最先端の光技術を使って、豊かな社会を創るための構想です。次々と現れるテクノロジーを「意識しなくてもいい世界」がまもなくやってきます!

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、NTTが提唱する次世代の通信インフラ構想です。光技術を中心に、高速・大容量・低遅延の通信を実現し、私たちの生活やビジネスを大きく変える可能性を秘めています。この記事では、IOWNの基本的な概念から応用分野まで、わかりやすく解説していきます。IOWNが実現する未来社会のイメージを一緒に描いてみましょう

目的と狙い:未来のインターネットを形作る

IOWNはNTTが開発中の次世代通信技術で、超高速・大容量通信を実現し、デジタル化を推進、環境への負荷を減らします。この技術により、生活やビジネスが大きく変わることが期待されています。次に、IOWNの具体的な目的と狙いについて詳しく見ていきましょう。

1. 通信速度の革新
IOWNの最大の目的は、現在の5G通信の限界を超えて、はるかに高速な通信を実現することです。例えば、大規模な映画ファイルをダウンロードする際に、現在数分かかる作業が数秒で完了します。また、オンラインライブイベントやスポーツ中継では遅延がなくなり、スムーズな視聴体験が可能になります。

2. デジタル化の推進
デジタル化の進展もIOWNの重要な狙いです。これにより、遠隔教育がさらに効果的になり、教室での授業を自宅でリアルタイムに受講することができるようになります。また、テレワーク中のビデオ会議でも、通信の遅延や画質の問題が解消され、より自然なコミュニケーションが実現します。

3. 環境への配慮
IOWNは消費電力の削減にも寄与します。特にデータセンターなどの大規模施設では、現在の技術と比較して大幅な電力消費の削減が期待されます。これにより、データセンターの運営コストが低下し、地球温暖化の抑制に貢献することができるようになります。

4. 社会全体への影響
OWNは単なる通信技術の進化ではなく、社会全体をより良い方向へ導く構想です。この技術が広がれば私たちの日常生活だけでなくビジネス方法や社会構造自体も効率的で持続可能なものに変わります。

これらの目標を達成することで、IOWNは未来のインターネットとして、私たちの生活を大きく変える可能性を持っています。今後この技術の発展にどのような変化が見られるか、興味深く見守りましょう!

IOWNの特徴

IOWNは次世代の超高速インターネット技術で光を使って情報を送る仕組みです。この技術によって私たちの生活がどれほど便利になるか見ていきましょう。

1. 光を使った高速通信
IOWNの最大の特徴は、光を利用した通信です。光は電気よりも速く、情報を瞬時に送ることができます。例えば、今は映画をダウンロードするのに数分かかることがありますが、IOWNを使えば数秒で完了します。これにより、ストレスなくコンテンツを楽しむことができるようになります。

2. 環境に優しい
IOWNは電力消費が少ないため、環境にも優しい技術です。従来の通信技術に比べてエネルギー効率が良く、地球温暖化対策にも貢献します。例えば、スマートフォンやパソコンのバッテリーが長持ちすることで、充電頻度が減り、電力消費を抑えることができます。

3. オールフォトニクス・ネットワーク
IOWNは「オールフォトニクス・ネットワーク」という仕組みを採用しています。これは、ネットワーク全体で光技術を使うことで、高速かつ大容量のデータ通信を実現するものです。このネットワークでは、データの伝送速度が従来の125倍になることを目指しています。

4. デジタルツインコンピューティング
IOWNでは「デジタルツインコンピューティング」という技術も重要です。これは、現実世界をコンピュータ上に再現することで、シミュレーションや予測が可能になります。例えば、新しいビルや公園を設計する際に、その影響を事前に確認できるので、安全で効果的な計画が立てられます。

5. コグニティブ・ファウンデーション
IOWNには「コグニティブ・ファウンデーション」という機能もあります。これは、AIを使って最適な通信方法を自動で選ぶ仕組みです。例えば、大勢の人が同時にインターネットを使っているときでも、最適なルートで情報を送受信できるため、快適な通信環境が保たれます。

コグニティブ・ファウンデーションは、賢い交通管制システムに例えることができます。

従来方式:

  • それぞれの信号機を個別に操作する。
  • 渋滞が起きてから対応する。

コグニティブ・ファウンデーション:

  • すべての信号機をコンピューターで一括管理する。
  • 交通状況を予測して、渋滞が起きる前に対策を立てる。
  • 道路工事や事故にも素早く対応できる。

つまり、コグニティブ・ファウンデーションは、ICTリソースを賢く、効率的に、そして柔軟に管理する新しい方法です。これは、ネットワークやコンピューターシステムなどのICTリソースを、まるで街全体の交通を最適化する交通管制システムのように、総合的に管理し、効率を高める革新的な技術なのです。

 

6. 光電融合技術

光電融合技術(Optoelectronic integration technology)は、光学と電子工学の技術を組み合わせたものです。この技術は、光信号と電子信号の相互変換や管理を可能にし、データ通信、センシング、イメージングなど多岐にわたる応用があります。具体的には、光ファイバー通信システム、レーザーセンサー、光トランジスター、LEDなどがこの技術を利用しています。

光電融合技術は、特に高速データ伝送や精密な測定が必要な分野で重要とされており、通信の帯域幅を増大させたり、医療用イメージングの解像度を向上させたりするのに貢献しています。また、光と電子のコンポーネントを一つのチップ上で融合させることで、デバイスの小型化や効率の向上が期待されています。

光電融合技術は光と電子のコンポーネントを一つのチップ上で融合できます。これをわかりやすく説明しますね。

  • ものすごく速い:光を使って情報を送るので、とっても速くデータを伝えることができるよ。まるで光の速さで走るスーパーヒーローみたいだね!
  • 電気をあまり使わない:光を使うと、電気をたくさん使わずに済むので、電池が長持ちするし、地球にも優しいんだ。
  • とても小さくできる:光と電子を一緒にすることで、とても小さな部品でたくさんのことができるようになる。これは、おもちゃをたくさん持っていても、かばんの中にしっかり収まるようなものだね。
  • クリアな通信:光は音楽や声のようなデータを、とてもきれいに運ぶことができるから、遠くのお友達と話しても、はっきりと聞こえるんだ。
  • たくさんの機能が一緒にできる:ひとつの小さなチップで、いろいろなことができるようになる。例えば、一つのおもちゃで歌ったり、話したり、光ったりするみたいなものだよ。

IOWNは、このような革新的な特徴によって私たちの日常生活やビジネス環境を大きく変える可能性があります。未来のインターネットはもっと速くて便利になり、私たちの生活はさらに豊かになるでしょう。

IOWNの応用分野 – 未来を変える革新的な技術

IOWNは、光を使った最先端の通信技術で、私たちの生活を劇的に変える可能性を持っています。インターネットがこれまでよりもずっと速く、賢くなり、さまざまな分野で新しい可能性を開きます。

1. 医療分野
IOWNを使えば、遠く離れた場所にいるお医者さんでも、まるで目の前にいるかのように手術ができるようになります。高画質な映像で、正確で安全な医療を提供できるんです。

2. 交通分野
自動運転の車が、IOWNのおかげでもっと賢くなります。車同士がすぐに情報をやりとりできるので、事故が減り、渋滞も少なくなるでしょう。まるで車が会話しているみたいですね。

3. 教育分野
授業が今までとまったく違って面白くなります!VRやARを使って、宇宙旅行や海底探検を教室で体験できるかもしれません。教科書を読むよりも、実際にその場所にいるみたいに学べるんです。

4. 宇宙・海洋探査分野
人間が行けない場所も、特別な探査機やロボットがIOWNの技術で詳しく調べられるようになります。宇宙の果てや海の底から、たくさんの新しい発見ができるかもしれません。

5. エンターテインメント分野
コンサートやスポーツ観戦が、まるでその場にいるような体験になります。家にいながら、選手の近くにいるかのような臨場感を味わえるでしょう。まるで魔法のような技術です。IOWNは、私たちの想像をはるかに超える未来を作り出す可能性を秘めています。技術の進歩が、私たちの生活をもっと便利で、もっと面白いものにしてくれるはずです。

IOWNの将来性と投資の効果

IOWNは次世代の通信技術で、多くの利点をもたらします。ここでは、その投資対効果について、いくつかの具体的な例を挙げて説明します。

1. 電力消費の大幅削減
IOWNの技術は非常に省エネで、現在の技術で消費される電力のわずか1%で済みます。たとえば、大規模なデータセンターが現在消費している電力を大幅に削減できるため、2030年には電力消費が急増すると予測される中で、この技術は非常に重要です。

2. コスト削減と効率化
IOWNを導入することで、コンピューター間の接続コストを半減させることが可能です。さらに、電力使用量を40%カットすることもでき、大量のデータを扱う施設にとって大きなメリットとなります。

3. データ量の増加への対応
データの量は年々増加しており、この流れは今後も続きます。IOWNは、増え続けるデータを効率良く扱うための技術として、ますます必要とされるでしょう。

このように、IOWNは電力消費を削減し、コストを下げるだけでなく、増大するデータ量に対応するための効率的な解決策を提供します。これらの利点は、エネルギー、通信、製造業など多岐にわたる分野での応用が期待されており、私たちの生活や環境にも良い影響を与えることでしょう。未来を明るくするために、IOWNへの注目はこれからも高まるはずです。

NTT社の仲間づくり活動

NTTは、IOWN(アイオン)構想を実現するために、国内外の企業や研究機関と積極的に連携しています。2020年には「IOWNグローバルフォーラム」を設立し、賛同する企業を募りました。
このフォーラムでは、技術の仕様や標準化を進めたり、実際の利用例を検討したりしています。また、大学や研究機関とも共同研究を行い、新しい技術の開発から実用化まで広範な協力関係を築いています。

1,参加企業とその取り組み
現在、IOWNグローバルフォーラムには120以上の企業が参加しています。主な企業には、Intel(インテル)、Sony(ソニー)、Microsoft(マイクロソフト)、Nvidia(エヌビディア)などがあります。これらの企業はそれぞれの強みを活かして協力しています。
たとえば、Intelは光電融合技術の開発を担当し、Sonyは映像伝送技術の向上に取り組んでいます。また、Microsoftはクラウドサービスとの連携を進め、Nvidiaは高性能コンピューティングに関する技術開発で協力しています。

2,具体的な活動内容
IOWNグローバルフォーラムでは、新しい技術の仕様やフレームワークを作成し、スマートな社会を実現するための研究開発を進めています。
例えば、光技術を使った通信網やデータ処理システムの設計などが行われています。これにより、高速で効率的な通信が可能になり、私たちの日常生活やビジネスに大きな影響を与えることが期待されています。
NTTは、このような仲間づくりを通じてIOWN構想を推進し、国際的な競争力を高めようとしています。IOWNが実現すれば、私たちの生活はもっと便利になり、新しいサービスや体験が生まれるでしょう。

リスク、成功条件、今後の課題

IOWN(アイオン)は、NTTが作った新しい通信技術で、私たちの生活をもっと便利にする力があります。でも、この技術を実現するにはいくつかの大きな課題があります。ここでは、IOWNが成功するために必要なことをわかりやすく説明します。

1. 技術開発の加速
IOWNを実現するためには、「光電融合技術」という特別な技術が必要です。これは光と電気を組み合わせて、すごく速いインターネットを作るものです。たとえば、今は映画をダウンロードするのに時間がかかりますが、IOWNを使えば一瞬でできるようになります。

2. 標準化活動の推進
IOWNが世界中で使われるためには、みんなが同じルールで使えるようにする必要があります。これを「標準化」と言います。たとえば、病院や学校がIOWNを使うときに、共通の基準があれば、簡単に導入できるようになります。

3. ユースケースの拡大
IOWNをどんなふうに使うか具体的な例を示すことも大切です。医療分野では、遠くにいるお医者さんが特別なカメラを使って手術を行うことができるようになります。また、自動運転車はIOWNのおかげでもっと安全になり、事故が減ることが期待されます。

4. 人材育成
この新しい技術について学ぶ人を増やすことも重要です。技術者や研究者を育てるための教育プログラムを強化し、多くの人がIOWNについて学べるようにします。たとえば、学校でIOWNに関する授業を増やすことで、次世代の技術者が育ちます。

5. 社会的理解の促進
一般の人々にもIOWNの良さを知ってもらうために、情報提供や教育活動が必要です。たとえば、イベントやワークショップを開いて、IOWNがどれだけ便利なのか説明することで、人々の関心を高めることができます。
これらの取り組みを通じて、IOWNは多くの人々の日常生活に役立つ技術として広まることが期待されています。未来のインターネットは私たちの生活を大きく変える可能性がありますが、その実現にはみんなの協力が必要です。

まとめ

IOWNは、NTTが考えた新しいインターネットの形で、光(ひかり)を使って情報を送るんだ。これがあれば、インターネットはもっと速くなって、大きなデータもすぐに送れるようになるよ。例えば、お父さんやお母さんが仕事で使う大きなファイルも、パッと送れるし、君たちが動画を見るときも、待ち時間なしでスムーズに見られるんだ!

さらに、IOWNがあれば、スマートフォンのバッテリーがすぐに切れる心配も少なくなるよ。朝から晩までゲームをしても、バッテリーが持つかもしれないね。そして、自動車が自分で道を選んで運転したり、遠く離れた病院で専門のお医者さんが画面を通して手術をしてくれるかもしれないよ。

でも、このすごい技術を実現するには、まだたくさんの課題があるんだ。技術を作る人たちがもっと研究を進めたり、世界中のたくさんの人たちが協力したり、みんながこの新しい技術を理解できるように努力することが必要なんだよ。

IOWNはただ速いインターネットを作るだけじゃなくて、私たちの生活や社会をもっと良くするための大きなプロジェクトなんだ。だから、これからどう変わっていくか、みんなも一緒に注目してみようね!

以上

筆者 プロフィール 
ケニー狩野( 中小企業診断士、PMP、ITコーディネータ)
キヤノン(株)でアーキテクト、プロマネとして多数のプロジェクトをリード。
現在、株式会社ベーネテック代表、株式会社アープ取締役、Society 5.0振興協会評議員ブロックチェーン導入評価委員長。
これまでの知見を活かしブロックチェーンや人工知能技術の推進に従事。趣味はダイビングと囲碁。
2018年「リアル・イノベーション・マインド」を出版。