アーパボー(ARPABLE)
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RAG

RAGに関する重要用語の解説

RAGに関する重要用語の解説

これからRAGを勉強される方向けに専門用語をなるべくわかりやすくせつめいしましたので学習時や実装時の参考にしてください。

Retriever(リトリーバー)

リトリーバーは、大量の文書やデータベースから、特定のクエリに対して関連性の高い情報を抽出する検索システムです。

RAGモデルでは、このリトリーバーを使用して、入力された質問やクエリに最も関連する文書を検索し、その情報をジェネレーターの入力として利用します。リトリーバーの効率と精度は、生成されるテキストの品質に直接影響を与えるため、高度なインデキシング技術や検索アルゴリズムが重要です。

Generator(ジェネレーター)

ジェネレーターは、リトリーバーから提供された情報を基にテキストを生成するモデルです。

このモデルは、通常、深層学習に基づいており、トランスフォーマーやリカレントニューラルネットワーク(RNN)を使用して、文脈に応じた自然で流暢なテキストを生成します。ジェネレーターの役割は、検索された情報を統合し、ユーザーが求める形式で出力することです。

Embedding(エンベディング)

エンベディングは、単語や文などのテキストデータを、機械学習モデルが処理しやすい固定長のベクトル形式に変換するプロセスです。

これにより、テキストデータの意味的な情報を保持しながら、計算効率を向上させることができます。エンベディングは、テキストの類似性を計算するための基盤となり、リトリーバーが関連する文書を効率的に検索するために用いられます。

Transformer(トランスフォーマー)

トランスフォーマーは、自己注意機構を用いることで、入力テキストの各部分がどのように相互作用するかを学習するニューラルネットワークアーキテクチャです。

このモデルは特に長いテキストや複雑な文脈において、関連する情報を効果的に捉える能力を持っており、自然言語処理の分野で広く利用されています。

Fine-tuning(ファインチューニング)

ファインチューニングは、事前に大規模データで訓練されたモデルに対し、特定のタスクや小規模データセットで追加訓練を施すことです。

このプロセスを通じて、モデルは特定の問題に対する理解を深め、より高い精度でタスクをこなすようになります。ファインチューニングは特に、限られたデータしか利用できない場合に有効です。

Query(クエリ)

クエリは、情報検索システムに対して投げられる質問や要求です。RAGモデルにおいてクエリは、リトリーバーが関連する文書を検索するための入力となります。

クエリの精度が高いほど、リトリーバーはより関連性の高い情報を抽出しやすくなり、結果として生成されるテキストの質も向上します。

Tokenization(トークナイゼーション)

トークナイゼーションはテキストをより小さい単位、通常は単語やサブワードに分割するプロセスです。

この分割により、モデルはテキストの構造を理解しやすくなり、言語の多様性や複雑性を効果的に扱うことができます。また、トークナイゼーションは、入力データの前処理段階で重要な役割を果たします。

Attention Mechanism(アテンション機構)

アテンション機構は、モデルが入力の重要な部分に焦点を当てることを可能にする技術です。

この機構により、モデルは不要な情報を無視しながら、重要な情報に「注意」を集中させることができます。アテンションは、特に長い文書や複数の情報源から情報を統合する際に効果を発揮します。

Contextual Embeddings(コンテキストエンベディング)

コンテキストエンベディングは、単語やフレーズがその使用される文脈に応じて異なる意味を持つことを考慮に入れたエンベディング手法です。

これにより、同じ単語が異なる文脈で使用された場合にその意味の違いをモデルが理解できるようになります。

Knowledge Base(ナレッジベース)

ナレッジベースは、事実や情報を体系的に整理し格納したデータベースです。RAGモデルでは、リトリーバーがこのナレッジベースから情報を抽出し、それを基にジェネレーターが回答を生成します。ナレッジベースの充実は、情報の質と精度を直接的に向上させる要因となります。

Batch Processing(バッチ処理)

バッチ処理は、複数のデータやタスクを一括で処理する手法です。

この方法は、機械学習の訓練において一定数のサンプルデータ(バッチ)を同時に処理することで効率を向上させます。バッチサイズはモデルの学習速度やメモリ使用量に影響を与え、大きいバッチサイズは安定した勾配推定を提供しますが、計算資源を多く必要とします。

Latent Space(潜在空間)

潜在空間は、高次元データをより低次元で表現する抽象的な空間です。特にオートエンコーダーや生成的敵対ネットワーク(GAN)などのモデルでは、この潜在空間にデータの重要な特徴をエンコードします。

この空間からのサンプルを使用して、新しいデータを生成することが可能です。潜在空間の理解は、データの内在的な構造を把握するのに役立ちます。

Loss Function(損失関数)

損失関数は、モデルの予測が正解からどれだけ外れているかを示す尺度です。この関数の値(損失)を最小化することで、モデルの学習が進みます。

一般的な損失関数には、平均二乗誤差(MSE)やクロスエントロピーがあり、それぞれ回帰タスクと分類タスクに適しています。損失関数の選択は、特定の機械学習問題の性質によって異なります。

Backpropagation(バックプロパゲーション)

バックプロパゲーションは、ニューラルネットワークを訓練する際に使用されるアルゴリズムです。

この方法では、出力層から入力層へ向かって、誤差の勾配を逆伝播させながら各層の重みを更新します。このプロセスは、ネットワークが正確な予測を行えるようになるまで繰り返され、非常に複雑な関数の最適化を可能にします。

Sequence-to-Sequence Model(シーケンス・トゥ・シーケンスモデル)

シーケンス・トゥ・シーケンスモデルは、一連の入力(例えばテキストの文)を別の一連の出力(翻訳された文)に変換するモデルです。

このモデルは通常、エンコーダとデコーダの2つの部分から構成され、エンコーダが入力シーケンスを内部表現に変換し、デコーダがそれを出力シーケンスに変換します。この技術は機械翻訳や自動要約で広く使用されています。

Pre-trained Model(事前訓練済みモデル)

事前訓練済みモデルは、特定のタスクに使用する前に大量のデータで広範囲にわたって訓練されたモデルです。

これらのモデルは、新しいデータやタスクに対してファインチューニングされることが多く、モデルの開発時間とリソースを節約できます。例えば、言語モデルのBERTや画像認識モデルのResNetがこれに該当します。

Normalization(正規化)

正規化はデータセットの特徴を標準化または正規化するプロセスで、各特徴が平均ゼロ、標準偏差一となるように調整します。

この手法により、モデルの訓練が安定し、異なるスケールの特徴間での不均衡が解消され、最適化アルゴリズムがより効率的に動作します。

Hyperparameters(ハイパーパラメータ)

ハイパーパラメータは、学習プロセス中に調整可能なパラメータで、モデルの設計に関わる選択肢を表します。

これには学習率、バッチサイズ、エポック数、隠れ層の数などが含まれます。ハイパーパラメータの適切な設定は、モデルのパフォーマンスに大きな影響を与え、しばしば試行錯誤が必要です。

Cross-Validation(クロスバリデーション)

クロスバリデーションは、モデルの汎用性を評価するための手法で、データセットを複数のサブセットに分割し、それぞれでモデルを訓練およびテストします。

この方法により、データのランダムな分割による影響を減らし、モデルの予測性能をより正確に評価することができます。

Indexing(インデキシング)

インデキシングは、データを効率的に検索、アクセスするために、データベースや文書にインデックスを作成するプロセスです。

特に大規模なデータセットにおいて、インデキシングは検索時間を短縮し、リソースの消費を抑える効果があります。RAGモデルでは、効果的なリトリーバーの実装に不可欠です。

Decoding Strategies(デコーディング戦略)

デコーディング戦略は、ジェネレーターが生成するテキストの質とスタイルを決定する方法です。

例えば、貪欲法(Greedy Decoding)、ビームサーチ(Beam Search)、トップ-K サンプリングなどがあります。これらの戦略は、生成されるテキストの多様性や自然さに影響を与え、特定の用途に最適な出力を得るために重要です。

Activation Function(活性化関数)

活性化関数は、ニューラルネットワークの各ノード(ニューロン)の出力を決定する関数です。

代表的な活性化関数にはReLU(Rectified Linear Unit)、Sigmoid、Tanhがあります。これらはネットワークの非線形性を導入し、複雑なデータパターンの学習を可能にします。

Embedding Matrix(エンベディング行列)

エンベディング行列は、単語や特徴をベクトル空間にマッピングするための行列です。

この行列を通じて、テキストデータは数値的な形式に変換され、モデルが処理しやすくなります。エンベディング行列は、単語間の意味的な関係を捉え、これを学習プロセスに利用します。

Reinforcement Learning(強化学習)

強化学習は、試行錯誤を通じて最適な行動戦略を学習する方法です。

特にRAGモデルにおいて、生成される回答の質を評価し改善するために使用されることがあります。エージェントは報酬を最大化するように学習し、より自然で正確な回答生成を目指します。

Attention Weights(アテンション重み)

アテンション重みは、入力シーケンスのどの部分が出力に重要かを示す重みです。

これにより、モデルは特定の情報に「注意」を集中させ、無関係な情報を無視します。アテンション重みは、テキストの理解と生成において、文脈の関連性を高める効果を持ちます。

Language Model (言語モデル)

言語モデルは、単語の並びがどの程度自然かを評価するモデルで、

次に来る単語の確率を予測します。トランスフォーマーを基にした大規模な言語モデルは、現代の自然言語処理タスクで広く使用されており、生成タスクにおいてもその性能が重要です。

株式会社アープでは御社の社内にある独自データをChatベースで簡単に問い合わせることができるRAGシステムの構築をお手伝いしております。コンサルから見積もりを出すまでは無料ですのでお気軽にこちらからお問い合わせください。
https://ragbuddy.jp/

以上

筆者プロフィール
ケニー狩野(中小企業診断士、PMP、ITコーディネータ)
キヤノン(株)でアーキテクト、プロマネとして多数のプロジェクトをリード。
現在、株式会社ベーネテック代表、株式会社アープ取締役、一般社団法人Society 5.0振興協会評議員ブロックチェーン導入評価委員長。
これまでの知見を活かしブロックチェーンや人工知能技術の推進に従事。趣味はダイビングと囲碁。
2018年「リアル・イノベーション・マインド」を出版。