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AI

2024年注目のPerplexityとは?

はじめに

みなさん、こんにちは。今回は、最近注目を集めているAI検索エンジン「Perplexity」について詳しく解説していきます。
情報過多の時代において、正確で信頼できる情報を素早く入手することの重要性は増す一方です。
そんな中、Perplexityは従来の検索エンジンとは一線を画す革新的なアプローチで、私たちの情報収集の方法を大きく変えようとしています

    Perplexityとは

    Perplexityは、AI技術を活用した次世代型の検索エンジンで、元GoogleやOpenAIのエンジニアによって設立されたチームが開発しました。Perplexityの特長は、リアルタイムのウェブ検索を行い、信頼性の高い回答を情報源と共に提供することにあります。ユーザーは従来の検索エンジンと異なり、具体的な質問を投げかけるだけで、関連情報を効率よく得ることが可能です。また、回答に使用された情報の出典を明示するため、透明性と信頼性が確保されています。学術研究やファクトチェック、ビジネス情報の収集において有効です。

    Perplexityの特徴


    ❶ リアルタイム性

    Perplexityの最大の特徴は、最新の情報をリアルタイムで取得し、それを基にユーザーに回答を提供できることです。
    従来のAI検索エンジンは、主に事前に学習されたデータセットに基づいて回答を生成しますが、Perplexityは異なります。
    リアルタイムにインターネットをクロールし、最新のウェブページやニュース記事などから情報を収集し、AIによってその場で処理します。

    このアプローチにより、ユーザーは常に最新の情報に基づいた回答を得ることができ、特に急速に変化する分野やトピックにおいて有利です。

    ❷ 出展元の明示

    さらに、Perplexityは提供する情報の透明性を重視しています。生成される回答には、必ずその情報の出典元(ソース)が示されるため、ユーザーは情報の信頼性を容易に確認できます。
    具体的には、AIモデルが生成する回答に対し、それがどのウェブページや文献に基づいているのかをリンクで明示します。

    これにより、回答の信頼性を担保しつつ、ユーザーが詳細な情報をさらに深掘りできる仕組みが整っています。このソース付きの回答生成機能は、学術研究やビジネスにおける正確な情報収集を求める場面で大きな強みとなります。

    ❸ 会話形式のインターフェース

    Perplexityのインターフェースは会話形式で設計されており、ユーザーは自然な言葉で質問を投げかけることができます。
    この自然言語処理(NLP)技術により、Perplexityは複雑な質問や前後の文脈を理解し、それに基づいた的確な回答を提供します。

    例えば、連続する質問でもコンテキストを維持し、より深い対話的な情報提供が可能です。これにより、ユーザーは従来のキーワード検索以上に柔軟で直感的な情報収集ができ、特に複雑なトピックに関してもより効率的に知識を得ることができます。

    従来の検索エンジンとの違い

    従来の検索エンジンとPerplexity AIの主な違いは以下の点にあります。

    • 自然言語処理能力に優れているため、ユーザーは複雑な質問や文脈を含む検索クエリを入力できます。
      AIが質問の意図を理解し、関連性の高い情報を抽出して回答を生成します。
    • 単にウェブページのリンクを羅列するのではなく、検索結果を要約して提示します。これにより、ユーザーは複数のページを閲覧する手間が省け、効率的に情報を得られます。
    • 情報の出典元を明示するため、回答の信頼性を確認しやすくなっています。これは学術研究やビジネス利用において特に有用です。
    • リアルタイムでウェブ上の最新情報を検索するため、常に最新のデータに基づいた回答を提供できます。
    • 対話形式のインターフェースを採用しているため、ユーザーは追加質問を重ねることで、より深い情報を段階的に得ることができます。

    これらの特徴により、Perplexity AIは従来の検索エンジンよりも直感的で効率的な情報収集を可能にしています。

    Perplexityと他の生成AIツールとの比較

    ❶ ChatGPTとの違い:情報の最新性と信頼性

    ChatGPTが事前学習データに基づいて回答を生成するのに対し、Perplexityはリアルタイムで最新の情報を検索し、提供します。
    また、Perplexityは情報源を明示することで、回答の信頼性を担保しています。

    ❷ Geminiとの違い:検索機能の特化性

    GoogleのGeminiが汎用的なAIアシスタントとしての機能を持つのに対し、Perplexityは情報検索と回答生成に特化しています。
    Perplexityの「フォーカス機能」を使えば、検索範囲を特定の分野やテーマに絞り込むことができ、より精度の高い情報を得られます。

    図1. PerplexityのFocus機能

     

    ❸ Claudeとの違い:倫理的配慮とソース提示の方法

    AnthropicのClaudeが倫理的な配慮を重視するのに対し、Perplexityは情報の正確性と透明性に重点を置いています。
    Perplexityは回答と共に情報源を明示することで、ユーザーが情報の信頼性を自ら判断できるようサポートしています。

    表1. Perplexity、ChatGPT、Gemini、Claudeの比較

    機能/特徴 Perplexity ChatGPT Gemini Claude
    開発元 Perplexity AI OpenAI Google Anthropic
    主な特徴 リアルタイム情報検索 汎用性の高い対話 マルチモーダル処理 倫理的で安全性重視
    情報の最新性 高い 限定的 高い 限定的
    画像認識 可能 可能 高度に可能 可能
    画像生成 不可 可能 可能 SVGのみ簡易的に可能
    コンテキスト長 中程度 短い 長い (100万トークン) 非常に長い (最大100万トークン)
    多言語対応 優れている 優れている 優れている 優れている
    拡張機能 限定的 GPTsで高い拡張性 Google製品との連携 限定的
    倫理的配慮 中程度 高い 高い 非常に高い
    情報源の透明性 高い (引用付き) 低い 中程度 低い

    ※)この表は各AIの一般的な特徴を示していますが、具体的な実装や更新によって変更される可能性があります。

    Perplexityの活用方法

    Perplexityの活用方法は、Focus機能を中心に効果的な情報収集が可能です。
    Focus機能には、All、Academic、Writing、Math、Video、Socialの6つのオプションがあります

    • Allはインターネット全体を検索対象とし、幅広い情報を得られます。
    • Academicは学術論文に特化し、専門的な情報を収集できます。
    • Writingはテキスト生成に適しており、文章作成の補助に役立ちます
    • Mathは数式や複雑な計算を行い、数学的な問題解決をサポートします。
    • Videoは主にYouTubeの動画を検索対象とし、視覚的な情報を得られます。
    • Socialは様々なSNSやブログから多様な意見を収集できます

    これらのFocus機能を適切に使い分けることで、目的に応じた効率的な情報収集が可能になります。
    また、関連する追加質問の提案機能や、回答の出典元の明示など、Perplexityの特徴を活かすことで、より深い理解と信頼性の高い情報収集が実現できます。

    Perplexityの裏技的な使い方

    Perplexityには多くの便利な機能があります。

    ❶ マーメイド記法の利用

    マーメイド記法を使用してグラフやチャートを生成できるため、データの視覚化が可能です。

    マーメイド記法でグラフを作成する例を紹介します。

    【プロンプト】入力したプロンプトは以下の通りです。

    Please create the graph according to the following description.

    graph TD
    A[start] –> B{branch}
    B –>|Yes| C[process1]
    B –>|No| D[process2]
    C –> E[end]
    D –> E

    【結果】以下のグラフが生成されました。

     

    ❷ AIモデルが変更可能

    AIモデルを変更することで、異なる特性や強みを持つ回答を得られることがあります。ただし、各モデルは倫理的配慮を維持しています。

    Perplexity AIのPro版で利用可能なAIモデルは以下の通りです(2024年9月)

    • GPT-4 Turbo
    • Claude 3 Opus
    • Claude 3 Sonnet
    • Mistral Large
    • GPT-4
    • Perplexity’s own AI models (Sonar-Small, Sonar-Medium, Sonar-Large)

    これらのモデルを切り替えることで、異なる特性や強みを持つ回答を得ることができます。ただし、各モデルは倫理的配慮を維持しており、不適切な内容の生成は制限されています。

     

    ❸ お役立ち情報

    Perplexityは日常生活やビジネスに役立つ多様な用途があります。例えば:

    • レシピ検索:
      特定の食材や料理名を入力し、「簡単なレシピを教えてください」と質問することで、詳細な調理手順や材料リストを得られます。
      さらに、「ベジタリアン向けにアレンジしてください」などの追加指示を出すことで、より個別のニーズに合わせたレシピを入手できます。
    • 旅行計画の作成:
      「東京で3日間過ごす観光プランを立ててください」といった質問をすることで、日程ごとの観光スポット、食事場所、移動手段などを含む詳細な旅行プランを得られます。
      「予算は1日1万円です」や「歴史的な場所を中心に回りたいです」などの条件を追加することで、よりパーソナライズされたプランを作成できます。
    • ブログ記事の執筆支援:
      「AIについての初心者向けブログ記事のアウトラインを作成してください」といった質問をすることで、記事の構成や主要なポイントを得られます。
      さらに、「各セクションを500字程度に展開してください」と指示することで、記事の下書きを作成することもできます。
      専門用語の説明や、最新の統計データの追加なども依頼可能です。

     

    ❹ Perplexityを効果的に使いこなすコツ

    具体的な質問や背景情報の提供、参考情報の記載などが挙げられます。

    例えば、「私は料理初心者で、20分以内に作れる簡単な夕食レシピを探しています」といった具体的な情報を提供することで、より適切な回答を得られます。
    また、回答に対して「もう少し詳しく説明してください」や「別の観点からも考えてみてください」といったフォローアップ質問をすることで、より深い洞察や多様な視点を得ることができます。

    これらの機能や技を組み合わせることで、Perplexityの能力を最大限に引き出し、より効果的な情報収集や問題解決が可能になります。
    日常生活からビジネス、学術研究まで幅広い場面で活用できる強力なツールとして、Perplexityは大きな可能性を秘めています。

    Perplexityの長所と短所

    長所:情報の信頼性と透明性

    Perplexityの最大の強みは、提供する情報の信頼性と透明性です。情報源を明示することで、ユーザーは回答の裏付けを確認できます。また、リアルタイムの情報更新により、常に最新のデータに基づいた回答が得られます

    短所:創造的タスクでの制限

    Perplexityは情報検索と回答生成に特化しているため、創造的な文章作成や複雑な分析タスクには向いていません。また、現時点では日本語対応が限定的であるなど、言語面での制約もあります

    Perplexityの今後の展望

    ❶ AIモデルの進化

    Perplexityは複数のAIモデルを組み合わせて使用しています。今後、これらのモデルがさらに進化することで、より高度な自然言語理解や、より正確な情報提供が可能になると期待されています

    ❷ ユーザーインターフェースの改善

    現在でも直感的な操作が可能ですが、今後はさらに使いやすいインターフェースの開発が進むでしょう。特に、モバイルデバイスでの利用体験の向上が期待されます

    ❸ 多言語対応の拡大

    現在、Perplexityは主に英語での利用に最適化されていますが、今後は日本語を含む多言語対応が拡大されると予想されます。これにより、グローバルな情報アクセスがさらに容易になるでしょう。

    まとめ

    Perplexityが変える情報検索の未来

    Perplexityは、AIと検索エンジンの融合により、情報収集の方法に革命をもたらそうとしています。リアルタイムの情報更新、信頼性の高いソース提示、自然な対話形式のインターフェースなど、その特徴は従来の検索エンジンとは一線を画します

     

    他の生成AIツールとの併用の重要性

    Perplexityは強力なツールですが、万能ではありません。創造的なタスクにはChatGPTを、倫理的な判断が必要な場面ではClaudeを、といったように、タスクに応じて適切なAIツールを選択し、併用することが重要です

    Perplexityは、私たちの情報アクセスの方法を大きく変える可能性を秘めています。
    その特徴と限界を理解し、適切に活用することで、より効率的で信頼性の高い情報収集が可能になるでしょう。
    今後のAI技術の進化と共に、Perplexityがどのように発展していくのか、非常に楽しみです。

    以上

    筆者プロフィール
    ケニー狩野(中小企業診断士、PMP、ITコーディネータ)
    キヤノン(株)でアーキテクト、プロマネとして多数のプロジェクトをリード。
    現在、株式会社ベーネテック代表、株式会社アープ取締役、一般社団法人Society 5.0振興協会評議員ブロックチェーン導入評価委員長。
    これまでの知見を活かしブロックチェーンや人工知能技術の推進に従事中((運用サイト:https://arpable.com)
    趣味はダイビングと囲碁。2018年「リアル・イノベーション・マインド」を出版。