Google公式「検索の基本事項」で学ぶSEOの基礎と実践
Google公式情報から読み解く、本質的なSEO対策
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SEO対策の成功には、Googleが公式に発行している「Google検索の基本事項」の理解が不可欠です。本記事では、この公式ガイドラインの要点を実践的な観点から解説します。
※)原文はこちらで確認できます。
https://developers.google.com/search/docs/essentials?hl=ja
※)Googleが発行しているSEOに関連する資料全体の説明は別稿「SEO攻略のためのGoogle公式資料6選」で解説してますのでそちらを参照ください。
Googleの使命:検索体験の質を最大化すること
本章では、SEO対策の根幹となるGoogleの目的、すなわち「ユーザーに役立つ情報を提供する」という基本方針について解説します。
Googleの使命は、ユーザーに対して「役立つ情報をできるだけ早く、正確に届けること」です。つまり、ユーザーが求めている情報に対して最適なコンテンツを表示することがGoogleの根本的な目標なのです。
だからこそ、SEOを成功させるためには、Googleのアルゴリズムが「ユーザーにとって役立つ」と判断するページを作ることが肝心です。例えば、あるユーザーが「美味しいパスタの作り方」を検索したとします。Googleは、ユーザーに対して最も価値のある情報を提供するため、信頼性が高く、内容が分かりやすく、さらには読みやすい記事を上位に表示しようとします。そのため、コンテンツ作成の際には「ユーザーにどれだけ役立つ情報を提供できているか?」を常に考えなければなりません。
Googleの評価基準:E-E-A-Tを理解しよう
本章では、Googleがコンテンツの品質を評価する上で最も重視する「E-E-A-T」の4つの要素について、その意味と重要性を解説します。
「E-E-A-T」という言葉、聞いたことがありますか?これはGoogleが検索結果の品質を判断する際に重視している4つの要素です。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
E-E-A-TはYMYL(Your Money Your Life)カテゴリのコンテンツにおいて特に重要です。例えば、医療情報や金融に関する情報は、ユーザーに与える影響が大きいため、信頼性や専門性が厳しく評価されます。そのため、医療や金融分野のブログやサイトを運営している方は、専門的な資格や経験を示す情報をプロフィールに追加したり、他の信頼できるサイトからのリンクを増やすなどして、権威性と信頼性を高めることが大事です。
では、経験(Experience)とは何でしょうか?最近のアップデートにより、Googleは情報の発信者が「実際に経験したこと」についても評価するようになりました。
例えば、旅行ガイドのブログで「実際にその場所に行った」経験が記載されていると、より価値が高いと評価されるのです。
Googlebotの役割を知ろう
本章では、GoogleのクローラーであるGooglebotがどのようにWebページを発見しインデックスするか、その仕組みと最適化のポイントを解説します。
Googlebotという言葉は、SEOに取り組んでいる人なら必ず聞いたことがあるはずです。Googlebotとは、Googleのクローラーのことです。このクローラーがウェブページを巡回してインデックスすることで、検索エンジンが情報を把握し、検索結果に反映するのです。
ここでポイントになるのが、「クローラビリティ」と「インデックス」。サイトがクローラーによって正しく巡回され、内容がインデックスされないと、どれだけ良いコンテンツを作っても検索結果に反映されません。クローラビリティを高めるためには、以下の対策が重要です。
内部リンクの設計:
内部リンクを適切に設置することで、クローラーがサイト内をスムーズに巡回できるようになります。関連するページ同士をリンクさせることで、クローラビリティが向上します。
XMLサイトマップの活用:
XMLサイトマップを作成し、Googleに提出することで、クローラーがサイト内の全てのページを効率よく発見し、インデックスする手助けをします。例えば、企業の製品ページをすべてカバーするXMLサイトマップを作成し、Google Search Consoleにアップロードすることで、製品情報が確実にインデックスされるようにします。
XML記載例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://www.example.com/</loc>
<lastmod>2025-07-11</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
<url>
<loc>https://www.example.com/product1</loc>
<lastmod>2025-07-11</lastmod>
<changefreq>monthly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
robots.txtで適切なページをブロックしない:
robots.txtを用いて不要なページをブロックしつつ、重要なページへのクローラーのアクセスを妨げないようにすることが大切です。
また、サイトがGooglebotによってインデックスされやすくするためのヒントとして、ページの読み込み速度を上げることやモバイルフレンドリーなデザインにすることが重要です。Googleはユーザー体験の良いページを好むため、モバイル対応がしっかりしていることや、ページの表示速度が速いことはSEOにおいて大きなプラス要素となります。
検索意図を読み解くことがカギ
本章では、ユーザーが検索する言葉の裏にある「検索意図」を4つのタイプに分類し、それぞれに応じたコンテンツ作成の重要性を解説します。
「検索意図(Search Intent)」という言葉、よく耳にすると思います。これを理解することが、Google検索で上位表示させるための最も重要な要素のひとつです。ユーザーが検索バーに打ち込むキーワードの背後には、何らかの意図があります。情報を探しているのか、何かを購入したいのか、それとも特定のウェブサイトに直接行きたいのか。この「検索意図」に基づいてコンテンツを作成しないと、どれだけ優れた記事を書いたとしても上位に表示されるのは難しいでしょう。
検索意図は大きく4つに分類されます。
種類 | 意図 | 検索キーワード例 |
---|---|---|
情報探索型 (Informational) |
何かを知りたい | 「美味しいパスタの作り方」、 「ノートパソコン おすすめ」 |
取引型 (Transactional) |
何かをしたい・買いたい | 「スニーカー メンズ セール」、「iPhone 16 予約」 |
ナビゲーショナル (Navigational) |
特定の場所へ行きたい | 「YouTube」、「Amazon ログイン」 |
商用調査型 (Commercial) |
購入前に調べたい | 「ミラーレス一眼 比較」、「ダイソン 掃除機 レビュー」 |
コンテンツを作成する際には、これらの検索意図を考慮に入れて、ユーザーが本当に求めている情報を提供することが求められます。
コンテンツの質を高めるためのテクニック
本章では、Googleに評価される「高品質なコンテンツ」を作成するための具体的な4つの要素と、技術的なWebパフォーマンス指標について解説します。
Googleの検索ガイドラインでは「高品質なコンテンツ」を作成することが強調されています。では、高品質なコンテンツとは具体的に何なのでしょうか?ここで役立つのが、以下の要素です:
- ユーザーのニーズを満たす内容:例えば、「特定のカメラ機種のレビュー」記事であれば、価格やスペックだけでなく、「夜景撮影での使い勝手」や「バッテリーの持ち」といった、ユーザーが本当に知りたい疑問に具体的に答えます。
- 深いリサーチと信頼性のある情報:例えば、健康に関する記事であれば、公的な研究機関の論文や専門家の見解を引用し、情報の信頼性を示します。
- 読みやすさ:例えば、料理のレシピを説明する際、各工程を番号付きのステップに分け、写真や動画を交えて初心者にも分かりやすく構成します。
- 内部リンクと外部リンクの活用:例えば、旅行先の紹介記事で、関連する他の観光地の記事(内部リンク)や、公式サイト・予約サイト(外部リンク)へ適切にリンクし、読者の利便性を高めます。
モバイルファーストとコアウェブバイタル
モバイルファースト
近年のGoogleは「モバイルファースト」を非常に重要視しています。つまり、スマートフォンでのユーザー体験がデスクトップよりも重要視されるということです。そのため、ウェブサイトがモバイル端末でどれだけ使いやすいかがSEOに大きな影響を及ぼします。
コアウェブバイタル
さらに、「コアウェブバイタル」も重要な指標です。これは、ユーザーがページを訪れた際の体験を測るための基準で、具体的には以下の3つの指標があります:
- Largest Contentful Paint(LCP):ページの主要なコンテンツがどれくらい速くユーザーに表示されるかを示します。2.5秒以内が理想です。
- Interaction to Next Paint(INP):ユーザーの操作に対するページの応答性を測定する指標です。200ミリ秒以下が理想です。
※2024年3月よりFIDに代わってINPが採用されています。 - Cumulative Layout Shift(CLS):ページの要素が予期せず移動することによる視覚的な安定性を測る指標です。0.1未満が理想です。
これらの指標をクリアすることが、Googleの評価を上げるために必要です。つまり、ユーザー体験を向上させることで、SEOにも好影響が及ぶのです。
よくある質問(FAQ)
▶ この記事の内容は初心者でも実践できますか?
▶ E-E-A-Tはすべてのサイトで同じように重要ですか?
まとめ:Googleの目的を理解して最適化を進めよう
Google検索の基本事項を理解することは、SEO対策の大きな一歩です。Googleは「ユーザーにとって最も役立つ情報を提供する」ことを最優先にしています。そのためには、検索意図を正確に把握し、高品質なコンテンツを提供し、クローラビリティを高め、ユーザー体験を最適化することが不可欠です。
SEOの世界は日々変化していますが、Googleの基本的な目的は変わりません。それは、ユーザーにとっての価値を最大化することです。この記事を読んで、少しでもGoogleの目指している方向性を理解し、自分のサイトに活かせるヒントがあれば幸いです。
更新履歴
- レビュー結果に基づき、内容の正確性・信頼性・構成を全体的に見直し、FAQセクションを追加。
- 初版公開
以上