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CrewAI: マルチAIエージェントの新たなフロンティア

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CrewAI: マルチAIエージェントの新たなフロンティア

 

AIは“ひとりで何でもこなす時代”から、“チームで動く時代”へ。
情報が複雑化し、スピードが求められる現代において、単一AIでは限界が見えてきました。
そこで登場したのが「CrewAI」。これは、まるで人間の専門チームのように、AI同士が役割を分担しながら課題に挑む革新的な仕組みです。
本記事では、CrewAIの仕組みから実践的な活用方法まで、やさしく深く解説します。

CrewAI:専門家チームのシミュレーション

CrewAIは、人間の専門家チームをシミュレートするために設計された強力なフレームワークです。このシステムの真髄は、それぞれ異なる役割と専門知識を持つ複数のAIエージェントが、一つの共通目標に向かって協力して作業する点にあります。

CrewAIの主要な特徴

  1. 役割ベースのアーキテクチャ:プロジェクトマネージャー、データアナリスト、プログラマーなど、人間の組織と同様の役割構造を持つエージェントを設定できます。
  2. タスク依存関係の管理:複雑なプロジェクトを小さなタスクに分解し、最適な順序で実行することで、作業効率を大幅に向上させます。
  3. 自然言語によるコミュニケーション:エージェント間のコミュニケーションは自然言語で行われ、人間が理解しやすく、プロセスの透明性が確保されています。
  4. 専門性の分担:各エージェントは特定の専門知識と責任範囲を持ち、他のエージェントと連携しながら作業を進めます。
        図1 CrewAI詳細アーキテクチャ

CrewAI詳細アーキテクチャの解説

CrewAIのアーキテクチャは複数の層から構成されており、それぞれが特定の役割を果たしています。以下に図の各コンポーネントについて詳しく説明します。

LLM統合レイヤー

図の最上部に位置する「LLM統合レイヤー」は、CrewAIの基盤となる部分です。

- 役割:OpenAI、Anthropic、Hugging Faceなどの様々な大規模言語モデル(LLM)プロバイダーとの接続を管理
- 機能:APIキーの管理、リクエストのフォーマット、レスポンスの解析などを担当
- 特徴:このレイヤーはLangChainの機能を活用しており、様々なLLMを簡単に切り替えることができます
つまり、このレイヤーのおかげで、開発者はOpenAIのGPT-4を使うか、AnthropicのClaudeを使うか、あるいは他のモデルを使うかを簡単に選択できます。また、APIキーの管理やレスポンスのフォーマットなどの低レベルな詳細を心配せずに済みます。

CrewAIコアシステム

アーキテクチャの中心に位置する「CrewAIコアシステム」は、フレームワークの主要な機能を提供します。これは大きく分けて2つの部分から構成されています。

1. エージェント管理
- 構成要素:複数のエージェント(A1、A2、A3と図示)
- 役割:各エージェントの定義、能力、パーソナリティを管理
- 特徴:各エージェントは「役割」「目標」「前提知識(バックストーリー)」を持つ​

例えば、「プロジェクトマネージャー」というエージェントは「プロジェクト全体を統括し、チームメンバーの作業を調整する」という目標と「10年のプロジェクト管理経験を持つプロフェッショナル」というバックストーリーを持ちます。これらの設定により、エージェントはその役割に適した応答や判断を行うことができます。

2. タスク管理
- 構成要素:複数のタスク(T1、T2、T3と図示)
- 役割:実行すべき作業の定義、依存関係の管理、期待される出力の指定
- 特徴:タスク間の順序と依存関係を明示的に定義できる​

タスク管理では、「競合分析の実施」→「マーケティング戦略の策定」→「広告コピーの作成」といったように、タスクの順序と依存関係を定義できます。後続のタスクは、先行するタスクの結果を入力として使用します。

Crew管理レイヤー

CrewAIコアシステムの下に位置する「Crew管理レイヤー」は、複数エージェントを統括し、全体の進行を制御する司令塔のような役割を果たします。

- 役割:エージェントとタスクの調整、実行フローの制御、結果の収集
- 機能:どのエージェントがどのタスクを実行するか、タスク間でどのようにデータを受け渡すかを管理
- 特徴:全体の進行状況を監視し、必要に応じて調整を行う

これはちょうど、プロジェクトマネージャーがチームメンバー間の作業を調整し、全体の進行を管理するのに似ています。

ツール統合

アーキテクチャの最下部にある「ツール統合」レイヤーは、エージェントが外部ツールやサービスを活用するための機能を提供します。

- 役割:Web検索、データベースアクセス、APIリクエストなどの外部ツールとの連携
- 機能:エージェントがツールを利用して情報収集や操作を行うための仕組み
- 特徴:LangChainのツール統合機能を活用している​

例えば、リサーチャーエージェントがWeb検索ツールを使って最新情報を収集したり、データアナリストエージェントがデータベースツールを使って情報を分析したりすることができます。

各コンポーネント間の連携

図中の接続線は、各コンポーネント間の情報やコントロールの流れを示しています:

  1. LLM統合レイヤーからCrewAIコアシステムへの線:LLMの能力がエージェントに提供されることを示します
  2. エージェントとタスク間の点線:エージェントがタスクを実行する関係を表します
  3. コアシステムからCrew管理レイヤーへの線:エージェントとタスクの情報がCrew管理に渡されることを示します
  4. Crew管理からツール統合への線:Crewの指示に基づいてツールが活用されることを表します

アーキテクチャ全体の特徴

このアーキテクチャが持つ特徴と利点は以下の通りです:

  1. モジュール性:各コンポーネントは独立しており、必要に応じて拡張や変更が可能
  2. スケーラビリティ:エージェントやタスクを追加するだけで、より複雑なシステムに拡張できる
  3. 柔軟性:異なるLLMやツールを簡単に統合できる
  4. 透明性:各エージェントの役割とタスクが明確に定義されているため、システムの動作が理解しやすい

このアーキテクチャにより、CrewAIはまるで人間のチームのように、各専門家(エージェント)が協力して複雑な問題を解決するマルチエージェントシステムを実現しています。このような設計は、単一のAIでは難しかった複雑な問題解決や創造的な作業に特に有効です。

LangChainとCrewAIの関係

  図2 LangChainとCrewAIの関係図

LangChainとCrewAIの関係図の解説

CrewAIを理解する上で重要なのは、LangChainというフレームワークとの関係です。両者の関係を明確にすることで、CrewAIの位置づけや特徴をより深く理解できます。

主な関係性

  1. LLM接続機能の活用
    • CrewAIはLangChainのLLM接続機能を利用しています
    • これにより、OpenAI、Anthropic、HuggingFaceなど様々なLLMプロバイダーと簡単に連携できます
  2. ツール連携機能の共有
    • CrewAIのエージェントは、LangChainで定義されたツールを使用できます
    • 検索エンジン、計算機能、APIリクエスト、データベース連携など、LangChainの豊富なツールエコシステムを活用できます
  3. 異なるAgent設計
    • LangChainのAgentは「単一エージェントによる複数ツールの活用」に焦点
    • CrewAIのAgentは「役割ベースの協調」と「チーム構造」に焦点

なぜCrewAIはLangChainを活用するのか?

この点は多くの開発者が疑問に思うポイントです。理由は以下の通りです:

❶ 開発効率の最大化:
  • すでに十分にテストされたLangChainの機能を再実装するのは非効率
  • 「車輪の再発明」を避け、既存の堅牢な機能を活用することで開発速度が向上
❷ エコシステムの活用:
  • LangChainにはすでに豊富なツール、接続、コミュニティリソースが存在
  • そのエコシステムを活用することで、CrewAIのユーザーはより多くの機能にアクセス可能
❸ 専門分野への集中:
  • CrewAIはマルチエージェント協調に特化することで、その分野での革新に集中できる
  • 基礎的なLLM連携やツール開発ではなく、協調動作の部分に開発リソースを集中
❹ 互換性の確保:
  • LangChainを使用している開発者が、より簡単にCrewAIに移行できるメリット

 

実用的なCrewAIコード例:ステップバイステップで学ぶマルチエージェント実装

CrewAIの概念を理解したところで、実際にどのようにコードを書けばよいのか見ていきましょう。ここでは、AIによる情報収集と分析のための基本的なマルチエージェントシステムを構築します。

サンプルコードでは、以下のような「情報収集と分析のワークフロー」を自動化します。

  1. リサーチャーエージェント
    特定のトピック(ここではAIマルチエージェントシステム)に関する情報を収集します。このエージェントは検索ツールを使用して、最新の情報やトレンドを効率的に集めます。
  2. ライターエージェント
    リサーチャーから得た情報を整理し、読みやすいレポートにまとめます。このエージェントは論理的な構成と明確な表現で、専門的な内容を理解しやすく変換します。

このシンプルなワークフローでも、人間のチームと同様に「調査→分析→報告」という一連のプロセスを、AIエージェントが協力して実行する様子が分かります。
実際のビジネスシーンでは、このような情報収集と分析のプロセスは頻繁に行われますが、多くの時間とリソースを必要とします。CrewAIを使えば、このプロセスを効率化し、人間はより創造的な意思決定に集中できるようになります。

それでは、このマルチエージェントシステムをどのようにコードで実装するのか、まずはソース全体を紹介した後、詳しく解説していきます。

CrewAIを使ったシンプルなマルチエージェント実装例

# 必要なライブラリのインポート
from crewai import Agent, Task, Crew
from langchain.llms import OpenAI
from langchain.tools import DuckDuckGoSearchRun

# LangChainのツールを初期化
search_tool = DuckDuckGoSearchRun()

# OpenAI APIの初期化(LangChainのLLM接続を使用)
llm = OpenAI(
    api_key="あなたのAPIキー",
    model_name="gpt-3.5-turbo"  # 使用するモデルを明示的に指定
)

# リサーチャーエージェントの定義
researcher = Agent(
    role="リサーチャー",  # エージェントの役割
    goal="特定のトピックに関する情報を収集し、分析する",  # 目標
    backstory="あなたは情報収集のスペシャリストです。効率的に関連情報を見つけ出し、整理する能力に長けています。",  # 背景設定
    verbose=True,  # 詳細ログを表示
    llm=llm,  # 使用する言語モデル(LangChainから)
    tools=[search_tool]  # LangChainのツールを使用
)

# ライターエージェントの定義
writer = Agent(
    role="ライター",
    goal="収集された情報を元に、わかりやすいレポートを作成する",
    backstory="あなたは複雑な情報を整理して、読みやすく魅力的なコンテンツに変換するのが得意です。",
    verbose=True,
    llm=llm
)

# リサーチタスクの定義
research_task = Task(
    description="AIマルチエージェントシステムの最新動向について調査せよ",  # タスクの説明
    agent=researcher,  # タスクを実行するエージェント
    expected_output="AIマルチエージェントシステムの最新トレンド、主要プラットフォーム、応用事例のリスト"  # 期待される出力
)

# レポート作成タスクの定義
writing_task = Task(
    description="調査結果をもと

【コード解説CrewAIを使ったシンプルなマルチエージェント実装例

先ほど示したコード例を詳しく解説していきます。初めてCrewAIに触れる方でも理解できるよう、ブロックごとに説明します。

1. 必要なライブラリのインポートと初期設定

# 必要なライブラリのインポート
from crewai import Agent, Task, Crew
from langchain.llms import OpenAI
from langchain.tools import DuckDuckGoSearchRun

# LangChainのツールを初期化
search_tool = DuckDuckGoSearchRun()

# OpenAI APIの初期化(LangChainのLLM接続を使用)
llm = OpenAI(
    api_key="あなたのAPIキー",
    model_name="gpt-3.5-turbo"  # 使用するモデルを明示的に指定
)

解説:

  • CrewAIフレームワークから必要なクラス(Agent、Task、Crew)をインポートします
  • LangChainの活用: LangChainのOpenAIクラスとDuckDuckGoSearchRunツールをインポートしています
  • これが先ほど説明した「CrewAIがLangChainのLLM接続とツールを活用している」関係を示す具体例です
  • APIキーを設定し、使用するモデルを明示的に指定しています。

 

2. エージェントの設定

# リサーチャーエージェントの定義
researcher = Agent(
    role="リサーチャー",  # エージェントの役割
    goal="特定のトピックに関する情報を収集し、分析する",  # 目標
    backstory="あなたは情報収集のスペシャリストです。効率的に関連情報を見つけ出し、整理する能力に長けています。",  # 背景設定
    verbose=True,  # 詳細ログを表示
    llm=llm,  # 使用する言語モデル(LangChainから)
    tools=[search_tool]  # LangChainのツールを使用
)

解説:

  • ここでCrewAI独自の「役割ベースのAgent」を定義しています
  • rolegoalbackstory がCrewAIのエージェント設計の核心です
    • これらのパラメータにより、エージェントに「キャラクター」と「専門性」を与えます
  • LangChainとの連携ポイント:
    • llm=llm: LangChainで初期化したOpenAIインスタンスを渡しています
    • tools=[search_tool]: LangChainのツール(検索機能)をエージェントに与えています
  • この部分が、CrewAIが独自設計のAgentでありながらLangChainの機能を活用している具体例です。

 

3. タスクの定義

# リサーチタスクの定義
research_task = Task(
    description="AIマルチエージェントシステムの最新動向について調査せよ",  # タスクの説明
    agent=researcher,  # タスクを実行するエージェント
    expected_output="AIマルチエージェントシステムの最新トレンド、主要プラットフォーム、応用事例のリスト"  # 期待される出力
)

# レポート作成タスクの定義
writing_task = Task(
    description="調査結果をもとに、1000字程度のレポートを作成せよ",
    agent=writer,
    expected_output="AIマルチエージェントシステムに関する包括的な概要レポート",
    context=[research_task]  # リサーチタスクの結果をコンテキストとして利用
)

解説:

  • タスクは各エージェントが実行すべき作業を具体的に定義します
  • 重要ポイント: context=[research_task] の設定
    • この設定により、最初のタスク(リサーチ)の結果が次のタスク(レポート作成)に自動的に渡されます
    • これが CrewAI の強みの一つ: エージェント間でのスムーズな情報の受け渡し
  • expected_outputでエージェントに期待する出力形式を具体的に指示できます。

 

4. クルーの作成と実行

# Crewの作成と実行
crew = Crew(
    agents=[researcher, writer],  # クルーに参加するエージェントのリスト
    tasks=[research_task, writing_task],  # 実行するタスクのリスト
    verbose=2  # 詳細なログを表示(2はより詳細なレベル)
)

# プロセスを開始
result = crew.kickoff()

# 結果の表示
print("最終レポート:")
print(result)

解説:

  • Crewクラスは CrewAI のオーケストレーション機能の中心です
  • エージェントとタスクをまとめて管理し、実行順序を制御します
  • crew.kickoff()で全プロセスが開始され、以下の流れで実行されます:
  1. リサーチャーエージェントがAIマルチエージェントシステムについての情報を収集
  2. 収集結果が自動的にライターエージェントに渡される
  3. ライターエージェントがレポートを作成
  4. 最終的な結果が返される

 

LangChainとCrewAIの使い分け:なぜCrewAIを選ぶべきか

LangChainをすでに使っている開発者が「CrewAIに移行すべきか」と考えることは自然です。しかし、この選択は「どちらが優れているか」ではなく「どのような状況に適しているか」という観点で考えるべきでしょう。以下に、具体的な例を交えながら判断の参考になる視点を紹介します。

料理の世界での例え話

LangChainとCrewAIの違いを料理の世界で例えるなら次のようになります:

LangChainは優秀な一人シェフです。

様々な調理器具(ツール)を使いこなし、一人で完結した料理を作ります。スピード感があり、シンプルなメニューなら効率的に提供できます。

CrewAIはレストランのキッチンチームです。

肉料理の専門家、パティシエ、ソムリエなど、それぞれ専門分野を持つスタッフが連携してコース料理を作り上げます。複雑で手の込んだメニューでも、分業と協力によって高品質な結果を生み出せます。

CrewAIを選ぶべき具体的シナリオ

シナリオ1:複雑なコンテンツマーケティングプロジェクト

あなたの会社が新製品のマーケティングキャンペーンを企画しているとします。以下のような一連の作業が必要です:

  1. 市場調査:競合分析と顧客ニーズの把握
  2. コンテンツ戦略の策定:ターゲット層と適切なチャネルの特定
  3. コンテンツ作成:ブログ、ソーシャルメディア投稿、プレスリリース
  4. 視覚資料の提案:画像やグラフィックのアイデア
  5. SEO最適化:キーワード分析と適用

このようなプロジェクトでは、単一のAI(LangChain)よりも、専門チーム(CrewAI)のアプローチが効果的です。市場調査専門のエージェント、コンテンツ作家エージェント、SEO専門家エージェントなどが連携して、一貫性のある総合的なマーケティング計画を作成できます。
このような事例を実際のコードにしてみることで理解が深まります。

market_researcher = Agent(
    role="市場調査専門家",
    goal="競合分析と市場動向の把握",
    tools=[web_search_tool]
)

content_strategist = Agent(
    role="コンテンツ戦略家",
    goal="ターゲット層の特定とチャネル戦略の立案"
)

content_creator = Agent(
    role="コンテンツクリエイター",
    goal="魅力的で説得力のあるマーケティング文章の作成"
)

seo_expert = Agent(
    role="SEO専門家",
    goal="検索エンジン最適化と可視性向上"
)

 

シナリオ2:ソフトウェア開発プロジェクトの初期段階

新しいWebアプリケーションの開発を始めるとき、以下のような作業が連続的に必要です:

  1. 要件分析:ユーザーニーズと機能要件の特定
  2. アーキテクチャ設計:システム構成の検討
  3. データモデリング:データベース設計
  4. UI/UX設計:ユーザーインターフェースの検討
  5. 実装計画:タスク分割と優先順位付け

これらのステップは相互に依存しており、前のステップの結果が次のステップの入力になります。CrewAIの依存関係管理と情報の受け渡し機能は、このような連続的なワークフローに適しています。

LangChainを継続して使うべき状況

一方で、以下のようなケースではLangChainの方が適している場合があります:

シナリオ1:単一目的のチャットボット

顧客サポート用のシンプルなチャットボットを開発する場合、複数のエージェントは不要かもしれません。製品情報検索、FAQ参照、シンプルな問い合わせ対応など、一つのエージェントが複数のツールを使い分けるアプローチで十分です。

シナリオ2:個人アシスタント機能

個人のスケジュール管理、メール作成サポート、情報検索などの機能を持つパーソナルアシスタントアプリも、単一エージェントで効率的に実装できるケースが多いでしょう。

【カンタンチェック!】CrewAIが向いてるかどうか見極めよう🕵️‍♂️✨

「うちのプロジェクト、CrewAIって向いてるのかな?」そんなときは、以下のチェックリストでサクッと確認してみてください!

✅ プロジェクトがいくつかの専門分野に分かれている
✅ タスク同士の情報の受け渡しが超重要
✅ いろんな視点・専門知識を集めると、価値がグッと上がる
✅ チームっぽく役割分担した方がうまくいきそう
✅ タスク同士に「順番」や「つながり」がある

ひとつでも「うん、それあるかも」と思ったら、CrewAIを導入するチャンスかもしれません!

LangChain vs CrewAI?いやいや、いいとこ取りでいこう👍

「どっちを使えばいいの?」と思いがちですが、LangChainとCrewAIはライバルじゃありません。むしろ、補い合えるベストパートナーなんです。

  • 小さめの、シンプルな目的のプロジェクトなら → LangChain
  • 複雑で、いろんな役割や連携が必要なプロジェクトなら → CrewAI
  • そして…両方を組み合わせるハイブリッド運用もアリ!

プロジェクトのタイプに合わせて、最適なツールを柔軟に選ぶのがカギです🔑✨

CrewAIの今後の展望と課題

CrewAIは発展途上のフレームワークであり、以下のような展望と課題があります:

展望

より洗練されたエージェント間の交渉機能:

  • 意見の不一致を解決するメカニズム
  • 複数の視点からの検証と合意形成

自己改善メカニズムの強化:

  • エージェントが過去の失敗から学習する能力
  • チーム全体のパフォーマンス最適化

課題

計算リソースとトークン消費:

  • 複数エージェントの並行実行によるコスト増大
  • 効率的なリソース管理の必要性

エージェント設計の複雑さ:

  • 適切な役割と目標設定の難しさ
  • エージェント間の適切な責任分担

✅ まとめ:AIの未来は「チーム」で動く

これまで私たちは、1つの強力なAIが全てをこなす世界を夢見てきました。
しかし現実の課題は、そんな“万能型AI”ひとつでは太刀打ちできないほど複雑で多様です。
そんな中で登場したのが CrewAI
これまで説明してきたようにCrewAIは、LangChainの基盤を活かしながら、複数のAIエージェントが役割を分担し、連携してタスクを進める有望なマルチエージェントフレームワークです。

今後は、AIも単独ではなく「チームで動く」時代へ。
CrewAIは、そんな未来に向けた強力な選択肢の一つです。

  • 🎯 専門性をもったAIエージェントのチーム編成
  • 🔄 タスクの連携と依存関係を明確に管理
  • 🔌 多様なLLMやツールとの柔軟な統合
  • 👁️‍🗨️ システムの透明性と拡張性

今後は、AIも単独ではなく「チームで動く」時代へ。
CrewAIは、そんな未来に向けた強力な選択肢の一つです。

 

※)参考サイト

この記事でCrewAIにご興味を持たれた方は、以下の情報源もぜひご覧ください。

 

以上

筆者プロフィール
ケニー狩野(中小企業診断士、PMP、ITコーディネータ)
キヤノン(株)でアーキテクト、プロマネとして多数のプロジェクトをリード。
現在、株式会社ベーネテック代表、株式会社アープ取締役、一般社団法人Society 5.0振興協会評議員ブロックチェーン導入評価委員長。
これまでの知見を活かしブロックチェーンや人工知能技術の推進に従事。趣味はダイビングと囲碁。
2018年「リアル・イノベーション・マインド」を出版。