デジタルツインにおけるシミュレーション技術調査
近年、テクノロジーの進展とともに、我々の生活のあらゆる面でデジタル化が進んでいます。その中で、特に注目を集めるのが「デジタルツイン」の技術です。
このブログでは、デジタルツインの概要から東京都の先進的な取り組み、そしてオープンソース技術との関わりまで、幅広くこの興味深いテーマを探求していきます。
デジタルツインとは
デジタルツインは文字通り「デジタルの双子」を意味し、現実の物体や環境をデジタル空間上に再現する技術のことを指します。その目的は多岐にわたり、製造業での製品開発から、都市計画、医療、農業など、多様な分野での応用が期待されています。
東京都のデジタルツイン取り組み
私の最初の興味の対象として取り上げたのは、東京都が推進するデジタルツインプロジェクトです。都市の複雑な情報や環境をデジタル上で再現することで、都市の問題点を洗い出し、より効率的な都市計画を立案することが目的とされています。
特に注目すべきは、Web上でアクセス可能な3Dビューアを利用したシミュレーションツールです。このツールを使用することで、地震などの災害時に東京都内の各地域で想定される被害状況をシミュレーションすることが可能になります。さらに、このツールは災害対策だけでなく、例えば観光地の混雑状況や交通渋滞のシミュレーションも可能です。
※)東京都デジタルツインプロジェクトはこちらからどうぞ。
東京都デジタルツイン実現プロジェクトについて
2023年には、都内の建物や街の様子をウェブ上で見ることができる3Dビューアが提供されております。
また、都市のデジタルツインの実現に向け、東京都3Dビジュアライゼーション実証プロジェクトが実施されました。このプロジェクトでは、海外事例の調査や西新宿の3Dモデル作成などが行われました。
今後の検討:オープンソースとの連携
オープンソース技術は、コミュニティが開発した技術やソフトウェアを無料で公開し、その改良や発展を促進する取り組みです。デジタルツイン技術も例外ではなく、多くのオープンソースツールが開発・提供されています。
私が次に注目したのは、CityJSONコンバータというオープンソースツールです。このツールは、都市の3DモデルデータをJSON形式で扱うことを可能にするもので、ローカル環境でのデジタルツインの構築や運用を簡単にするためのものです。
オープンソースの力を借りることで、独自のデジタルツインを構築したり、既存のデータを組み合わせて新しいシミュレーションを試みることができます。このような取り組みによって、デジタルツイン技術はさらに幅広い分野での応用が期待されるようになります。
CityJSONコンバータとは
CityJSON形式と呼ばれる3D都市モデルのフォーマットを扱うオープンソースのツールです。このツールは、都市計画情報のデジタル化・オープン化ガイダンスにおいて、東京都の3D都市モデルのデータ変換ツールとして紹介されています。
また、このツールを使用することで、CityJSONファイルをQGISで読み込むことができるプラグインも存在します。ただし、CityGML形式からCityJSON形式への変換については、FMEというツールを使用することが一般的であるようです