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2025年にやってくる?AIエージェントの時代

2025年にやってくる?AIエージェントの時代

AIエージェントとは、特定のタスクを自律的に実行し、環境と相互作用する能力を持つ人工知能システムです。これにより、ユーザーの指示に基づいて情報を収集し、分析し、実行することが可能になります。生成AIが言語生成やデータ処理に特化しているのに対し、AIエージェントはより広範な業務を効率的にこなすことが期待されています。

2024年情報通信白書によると、日本の生成AI活用は個人利用率9.1%、企業での業務利用率46.8%と、海外に比べて遅れを取っています。しかし、個人の6〜7割が生成AIに興味を示し、企業の約75%が業務効率化や人員不足解消に寄与すると認識しています。2027年には生成AI市場が約19兆円に達すると予測され、白書は生成AIを「人類史上有数の革命」と位置づけています。

このような背景から、生成AIの進展を受けて、より高度な問題解決能力と自律性を持つAIエージェントへの移行が始まっています。2025年、AIエージェントの時代の幕開けが近づいているのです。

生成AIからAIエージェントへ:進化の必然

生成AIからAIエージェントへの移行は、より高度な問題解決能力と自律性を持つAIシステムへの必然的な進化と言えます。生成AIは優れた言語処理能力を持ちますが、目標指向の行動や環境との相互作用、継続的学習などの面で限界があります。

一方、AIエージェントは明確な目標を持ち、環境を認識し、行動を計画・実行する能力を備えています。また、長期的なメモリや状態追跡、複数のタスクを統合する能力も持ち合わせています。

これにより、AIエージェントは現実世界の複雑な問題に対してより効果的に対応し、人間との協調をさらに深めることができます。
この進化は、AIがより実用的で多様な応用分野で活躍するための重要なステップとなっています。

AIエージェントの定義と種類

AIエージェントは、特定の目標達成のために自律的に行動する人工知能システムです。
主な種類には、単純反射エージェント、モデルベース反射エージェント、目標ベースエージェント、学習エージェント、階層型エージェントがあります。単純反射エージェントは定義されたルールに基づいて反応し、モデルベースエージェントは内部モデルを用いて環境の変化に応じた行動を選択します。目標ベースエージェントは特定の目標達成のために行動を計画し、学習エージェントは経験から学習して改善します。階層型エージェントは複数の下位エージェントが協調して複雑なタスクを遂行します

来られ5つのAIエージェントに学校の掃除当番をやらせるとどうなるのか?

❶ 単純反射エージェント

これは、決められたルールだけを守る掃除当番さんです。例えば「床が汚れていたら掃く」というルールがあれば、床が汚れているのを見つけたらすぐに掃きます。でも、なぜ掃くのか、掃いた後どうなるのかは考えません。

 

 

❷ モデルベース反射エージェント

この掃除当番さんは、教室の様子を頭に描きながら掃除をします。例えば、「机を動かすと床が見えるから、そこも掃こう」と考えます。周りの状況を理解して、それに合わせて行動するのが得意です。

 

 

 

❸ 目標ベースエージェント

この掃除当番さんは、「教室をピカピカにする」という目標を持っています。単に決められたことをするだけでなく、目標を達成するために何をすべきか考えて行動します。例えば、窓も拭いたり、ゴミ箱も空にしたりして、教室全体をきれいにしようとします。

 

 

❹ 学習エージェント

この掃除当番さんは、経験から学ぶのが得意です。例えば、「雨の日は靴が泥だらけになるから、玄関をより丁寧に掃除しよう」と、過去の経験から学んで行動を改善します。毎日の掃除を通じて、どんどん上手になっていきます。

 

 

 

➎ 階層型エージェント

これは、掃除当番のリーダーさんのようなものです。教室の掃除、廊下の掃除、窓拭きなど、それぞれの仕事を他の掃除当番さんに分担させます。そして、全体を見渡しながら、みんなの仕事がうまくいくように指示を出したり、助けたりします。

このように、AIエージェントにはそれぞれ特徴があり、単純なものから複雑なものまで、様々な種類があります。人間の助けになるように、それぞれの得意なことを活かして働いているのです。

AIエージェントと生成AIの違い

AIエージェントは目標達成に向けたタスク実行を目的とし、環境と双方向にやり取りしながら自律的に行動します。一方、生成AIはコンテンツ生成に特化し、大規模データセットに基づいて一方向の処理を行います。
AIエージェントは汎用的な能力を持ち、アクションや意思決定を出力しますが、生成AIは専門的な能力を持ち、テキストや画像などのコンテンツを生成します。

AIエージェントは環境からのインプットに基づいて動作し、継続的に学習しながら複数のエージェントと連携できる特徴があります

AIエージェントの進化:2024年の動向

1. AWS AIエージェント

目的・狙い: AWSのAIエージェントは、環境とインタラクションを行い、データを収集・解析して自律的にタスクを実行することを目的としています。特に顧客対応やデータ分析など、反復的な業務の効率化と最適化を支援することで、事業の生産性向上を図ります。

できること: 顧客対応の自動化やリアルタイムでのデータ分析を通じて、迅速な問題解決とカスタマーサポートを実現します。さまざまな業務に柔軟に対応する設計で、特定のルールベースを超えた複雑なタスクの処理も可能です。

特徴: 環境からのフィードバックを取り入れつつ、自律的に判断し行動する特性があり、操作の必要性を最小限に抑えながら、柔軟な業務対応を可能にしています。データ分析機能や機械学習による学習能力も備えています。

導入効果: 業務プロセスの効率化やコスト削減を実現し、従業員がより高度な作業に集中できるようになります。迅速な意思決定支援により、ビジネス全体の生産性を大幅に向上させる効果が期待されます。

時期と情報源:
公開日: 2024年10月
情報源: AWSの公式GitHubリポジトリ

参考サイトAWS AIエージェント詳細

2. NTTデータ「SmartAgent™」

目的・狙い: SmartAgent™は、オフィスワーカーの生産性向上を支援するため、AIエージェントが自律的に業務を整理・実行し、効率化を図ることを目的としています。人手不足や複雑な業務プロセスの簡素化に貢献することを目指しています。
できること: 顧客対応やデータ管理、文書作成支援など、多様なオフィス業務をサポートし、効率的に進行するよう自律的に指示や判断を行います。業務の進捗管理やタスクの優先順位づけも可能です。

特徴: タスクの抽出から自動化まで幅広い業務に対応可能で、特定の業界に依存しない柔軟性を持ちます。AIの自己学習機能も備え、使用者のニーズに応じて最適化される点が特徴です。

導入効果: 業務の効率化によるコスト削減や、生産性の向上に加え、労働力不足の課題解消に貢献します。付加価値の高い業務に注力できる環境を整え、ビジネスプロセスの最適化を実現します。

時期と情報源:
発表日: 2024年10月24日
情報源: NTTデータの公式ニュースリリース

参考サイトNTTデータ SmartAgent™詳細

3. IBM AIエージェント

目的・狙い: IBMのAIエージェントは、大規模言語モデルを活用し、複雑な意思決定と高度なタスクの自動化を通じて企業のデジタルトランスフォーメーションを支援することを目的としています。
できること: ユーザーの意図を理解し、必要なツールや外部リソースを活用してタスクを効率的に処理します。高度な質問応答やデータの分析を行い、ビジネス上の意思決定を支援します。

特徴: ユーザーのニーズに応じたパーソナライズされた対応が可能で、業界固有の課題にも対応できる汎用性を備えています。学習を通じた改善が可能で、状況に応じた最適なアプローチを取ります。

導入効果: 業務の自動化により従業員の負担を軽減し、効率的な業務進行が可能になります。また、迅速で的確な意思決定を支援することで、競争力強化に貢献し、企業の成長をサポートします。

時期と情報源:
公開日:2024年7月3日
寄稿者:Anna Gutowska

参考サイト: IBM AIエージェント詳細

4. OpenAI「Swarm」紹介

目的・狙い: 技術者向けに、OpenAIのSwarmを活用したAIエージェントの開発手法を紹介し、マルチエージェントシステムの構築方法の理解を深めることを目的としています。
できること: Swarmは、複数のエージェントが協調してタスクを遂行する機能を提供し、各エージェントが役割を分担しながら複雑なプロジェクトを効率的に進行させることが可能です。

特徴: 特定のタスクに特化したエージェントが集団で協力し、状況に応じて役割分担を行うことで、高い柔軟性と効率性を実現する点が特徴です。

導入効果: マルチエージェントシステムの導入により、複雑なプロジェクト管理が簡素化され、効率的な業務遂行が可能になります。また、エージェント間の相互作用により、さらなる生産性向上が期待されます。

時期と情報源:
公開日: 2024年9月
情報源: OpenAIの公式GitHubリポジトリ

参考サイト:OpenAI Swarm詳細

米Oracle – Oracle Cloud Applications AIエージェント

目的・狙い: Oracle Cloud Applicationsで50以上のAIエージェントを提供し、人事、会計、サプライチェーン管理、顧客管理など幅広い業務領域をカバーすることを目的としています。各業務プロセスの効率化と意思決定支援を通じて、企業の生産性向上を図ります。できること: データ分析や予測、自動化機能を活用し、各業務領域での意思決定支援や業務プロセスの最適化を行います。人事管理から財務会計まで、幅広い業務領域でAIエージェントによる支援が可能です。

特徴: 多様な業務領域に対応する豊富なAIエージェントラインナップを持ち、Oracle Cloud Applicationsとの深い統合により、シームレスな業務支援を実現します。データ駆動型の意思決定を促進する分析機能も特徴です。

導入効果: 業務プロセスの最適化、人的ミスの削減、データ駆動型の意思決定の促進が期待されます。これにより、企業全体の効率性と競争力の向上が見込まれます。

時期と情報源:
発表日: 2024年9月11日
情報源: Oracleの公式ニュースリリース

参考サイト: Oracle Cloud Applications AIエージェント詳細

米Salesforce – Agentforce

目的・狙い: Salesforceが提供するAIエージェント開発・運用プラットフォームとして、顧客関係管理(CRM)を中心に、営業支援、マーケティング自動化、カスタマーサービスなどの領域でカスタマイズ可能なAIエージェントの実現を目指しています。
できること: 事前設定されたAIエージェントと開発ツールを提供し、企業固有のニーズに合わせたAIエージェントの開発と運用が可能です。CRM関連の幅広い業務領域でAIによる自動化と最適化を実現します。

特徴: 2024年10月30日から日本でサービス開始予定で、Salesforceの既存サービスとの高い親和性が特徴です。カスタマイズ性が高く、企業固有の要件に柔軟に対応できます。

導入効果: 顧客対応の質向上、業務効率化、パーソナライズされたサービス提供が期待されます。これにより、顧客満足度の向上と営業力の強化が見込まれます。

時期と情報源:
サービス開始予定日: 2024年10月30日(日本)
情報源: Salesforceの公式発表

参考サイト: Salesforce Agentforce詳細

独SAP – Joule AIエージェント

目的・狙い: SAPの対話型AI「Joule」にAIエージェント機能を統合し、クレーム管理や財務会計プロセスなどの業務領域で、業務プロセスの自動化と最適化を目指しています。
できること: ERPシステムと深く統合されたAIエージェントとして、財務会計やクレーム管理などの複雑な業務プロセスを自動化し、効率化します。リアルタイムでの意思決定支援も提供します。

特徴: SAPのERPシステムとの深い統合が最大の特徴で、既存のSAPユーザーにとってはシームレスな導入が可能です。対話型AIの特性を活かした直感的な操作も特徴です。

導入効果: 複雑な業務フローの簡素化、リアルタイムでの意思決定支援、従業員の生産性向上が期待されます。ERPシステムとの統合により、企業全体の業務効率が大幅に向上する可能性があります。

時期と情報源:
発表日: 2024年9月26日
情報源: SAPの公式ニュースリリース

参考サイト:SAP Joule AIエージェント詳細

米ServiceNow – AIエージェントサービス

目的・狙い: カスタマーサービス管理やITサービス管理向けのAIエージェントを提供し、サービスデスクの自動化、インシデント管理の効率化、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的としています。
できること: AIエージェントによる自動応答や問題解決、インシデント管理の自動化を実現します。また、AIエージェントの管理ツールも提供し、効率的な運用をサポートします。

特徴: 2024年中に提供予定で、ServiceNowの既存サービスとの高い統合性が特徴です。カスタマーサービスとITサービス管理に特化した機能設計により、これらの領域での高い効果が期待できます。

導入効果: 問題解決時間の短縮、サービス品質の向上、運用コストの削減が期待されます。これにより、顧客満足度の向上とIT部門の効率化が同時に実現できる可能性があります。

時期と情報源:
発表日: 2024年9月26日
情報源: ServiceNowの公式ニュースリリース

参考サイト:
ServiceNow AIエージェント詳細

複数AIエージェント連携の研究

AIエージェント技術の進化に伴い、複数のAIエージェントを連携させる研究が活発に進められています。この取り組みは、異なる専門性を持つAIエージェントを組み合わせることで、より複雑な問題解決や高度な意思決定を可能にすることを目指しています。
以下に注目すべき事例を挙げます。

デロイト トーマツの「マルチエージェントアプリ」

目的・狙い
デロイト トーマツは、複数のAIエージェントが自律的に連携して業務を自動化する「マルチエージェントアプリ」を開発しました。このアプリは、Web情報検索、社内DB検索、データ可視化、情報分析、資料作成など、異なる役割を持つAIエージェントが協力し合うことで、業務の効率化を図ることを目的としています。
ユーザーは自然言語で業務内容を入力するだけで、関連するAIエージェントが連携して結果を出力します。これにより、業務の自動化(省力化)と生産性向上が期待されます。

特徴
「マルチエージェントアプリ」の主な特徴には、タスク計画の自動立案機能、グラフ構造による連携制御、自己修正機能、そしてHuman in the Loop機能があります。
タスク計画の自動立案機能により、業務内容に応じた最適なタスクが自動的に設定されます。グラフ構造による連携制御は、AIエージェント間の効率的な情報共有を実現します。自己修正機能はエラーを自動で修正し、信頼性を向上させます。また、Human in the Loop機能により、人間の介入が可能であり、柔軟な対応が可能です。このアプリケーションは調査業務や報告書作成など多岐にわたって活用できます。

導入効果
「マルチエージェントアプリ」の導入により、多くの業務プロセスが自動化されることで、生産性が向上し、時間の節約が実現します。ユーザーは自然言語で指示を出すだけで結果を得られるため、専門知識がなくても簡単に利用できる点も大きな利点です。また、自律的に連携するAIエージェントによって業務の一貫性が保たれ、高度な情報分析や資料作成が迅速に行えるようになります。これにより、企業全体の業務効率が向上し、新たなビジネスチャンスの創出にも寄与することが期待されます。

時期と情報源:
開発完了日: 2024年9月
情報源: デロイト トーマツの公式発表

参考サイト
詳細はこちらからどうぞ。

Microsoft AutoDev

目的・狙い
Microsoft AutoDevは、AI技術を活用した自律型ソフトウェア開発ツールであり、開発プロセス全体を自動化する包括的なプラットフォームとして設計されています。このツールは従来の開発ツールとは異なり、多様なソフトウェア開発プロジェクトに対応できる汎用性を持ちつつ、自律的なAIエージェントによって開発プロセスを効率化します。
目的は、人間の介入なしでソフトウェア開発を進めることで、開発者がより高度な問題解決や戦略的思考に集中できる環境を提供することです。

特徴
AutoDevの主要コンポーネントには、複数のAIエージェントによる開発プロセスの自動化です。 例えば多様なタスクを管理するエージェント・スケジューラ、AIエージェントの活動を統括する会話マネージャー、および各種ツールを提供するライブラリがあります。
自律性に優れ、人間による介入なしに開発プロセス全体を管理できる点が特筆されます。
また、新しいAIエージェントやドメイン知識を追加することで機能の拡張も可能であり、多様なプロジェクトニーズに応じた柔軟な対応ができます。
このようにAutoDevは、自律型AIによる協力体制で複雑なソフトウェア開発を支援します。

導入効果
Microsoft AutoDevの導入によって、ソフトウェア開発プロセスが大幅に効率化されます。自律型AIエージェントが協力して複雑なタスクを遂行するため、人間は反復的な作業から解放され、高度な問題解決や創造的作業に集中できます。
また、自動化されたタスク管理や進捗追跡機能によってプロジェクト全体の透明性も向上し、チーム内でのコミュニケーションやコラボレーションも強化されます。これらの効果により、開発速度と品質が向上し、市場への迅速な対応が可能になることから、企業競争力も高まることが期待されています。

時期と情報源:
論文掲載日: 2024年3月13日
情報源: Microsoftの公式研究論文

参考サイト
論文はこちらからどうぞ
DevinとAutodevの比較記事はこちらからどうぞ

AIエージェントがもたらす未来の働き方

AIエージェントの進化は、私たちの働き方に革命的な変化をもたらす可能性があります。OpenAIのSam Altman氏の予測によると、2030年頃には、これまで人間が数ヶ月かけて行っていた作業をAIエージェントが1時間で完了するようになるかもしれません

さらに、一度に複数のAIエージェントに異なるタスクを割り当てることで、生産性が飛躍的に向上する可能性があります。

業務効率の劇的な向上

AIエージェントの導入により、ルーチンワークや時間のかかる分析作業が大幅に効率化されます。これにより、人間はより創造的で戦略的な業務に集中できるようになります。

24時間稼働の実現

AIエージェントは休むことなく働くことができるため、企業の業務時間が実質的に24時間に拡大します。これにより、グローバルビジネスにおける時差の問題も解消される可能性があります。

個人化されたサポート

パーソナルAIエージェントの発展により、各従業員の特性や好みに合わせたカスタマイズされたサポートが可能になります。これにより、個人の生産性と満足度が向上する可能性があります。

意思決定の高速化と精度向上

複数のAIエージェントが連携することで、大量のデータを瞬時に分析し、高度な意思決定をサポートすることが可能になります。これにより、ビジネスの意思決定プロセスが大幅に迅速化され、精度も向上します。

新しい職種の創出AI

エージェントの普及に伴い、AIエージェントの管理や調整を行う新しい職種が生まれる可能性があります。AIエージェントと人間のコラボレーションを最適化する専門家の需要が高まるでしょう。

AIエージェント時代の課題と展望

AIエージェントの発展は大きな可能性を秘めていますが、同時にいくつかの課題も存在します。

プライバシーとセキュリティ個人情報や企業機密を扱うAIエージェントのセキュリティ確保は重要な課題です。データの暗号化や厳格なアクセス制御など、高度なセキュリティ対策が必要となります。

倫理的な問題AIエージェントの判断が人間の価値観や倫理観と一致しない場合の対処方法や、AIの意思決定に対する責任の所在など、倫理的な問題についても議論が必要です。

人間の役割の再定義AIエージェントが多くの業務を代替することで、人間の役割を再定義する必要が出てきます。創造性、感情的知性、複雑な問題解決能力など、人間にしかできない領域に焦点を当てた教育や訓練が重要になるでしょう。

技術格差への対応AIエージェント技術の導入には、高度な技術力と投資が必要です。中小企業や発展途上国との技術格差が広がる可能性があり、この格差を埋めるための支援や政策が求められます。

法的枠組みの整備AIエージェントの行動に関する法的責任や、AIが生成したコンテンツの著作権など、新たな法的枠組みの整備が必要になります。

結論

これまで見てきたように、2025年は確かにAIエージェントの時代の幕開けとなる可能性が高いといえるでしょう。AI insideのような日本企業も積極的にこの分野に参入しており、グローバル企業との競争も激化しています

AIエージェントは、業務効率の向上だけでなく、新しい働き方や創造的な問題解決の可能性を広げる存在となるでしょう。しかし、その実現には技術的な課題だけでなく、社会的、倫理的、法的な課題も克服する必要があります。
つまり、
AIエージェントと人間が協調して働く未来を築くためには、技術開発と並行して、社会システムの整備や人材育成にも注力することが重要です。2025年以降、AIエージェントはますます私たちの生活や仕事に浸透していくでしょう。

この変化に適応し、AIエージェントを効果的に活用できる個人や組織が、次世代の社会で成功を収めることになるでしょう。AIエージェントの時代に向けて、私たち一人一人が準備を始める時が来ているのかもしれません。

 

 

以上

筆者プロフィール
ケニー狩野(中小企業診断士、PMP、ITコーディネータ)
キヤノン(株)でアーキテクト、プロマネとして多数のプロジェクトをリード。
現在、株式会社ベーネテック代表、株式会社アープ取締役、一般社団法人Society 5.0振興協会評議員ブロックチェーン導入評価委員長。
これまでの知見を活かしブロックチェーンや人工知能技術の推進に従事中(運用サイト:https://arpable.com)
趣味はダイビングと囲碁。2018年「リアル・イノベーション・マインド」を出版。