はじめに
プロジェクトマネジメント力を向上させるためアイシンク株式会社の「プロジェクトマネジメント基礎講座」を受講してもらいました。
このブログでは受講した社員からの報告書を紹介します。
※)受講した講座はこちらから。
https://www.i-think.co.jp/open-seminar/14211/
受講した講座
- 研修: 『プロジェクトマネジメント基礎講座』アイシンク社
- 日程: 2023/3/24 9:30-17:30(昼休12;00-13;00)
- 講師: アイシンク 山本さん(元 日立製作所 PM、PMO)
- 参加: 11人(現職:ソフト開発、広告、機械製造 など)
- 会場: オンライン研修(zoom 常時顔出&発言時マイクON)
- 配布資料:
・テキスト(80ページ程度)
・グループワーク用資料(5問程度)
※受講者以外への展開禁止
受講者はどんな人?
事前に受講者全員に以下のアンケートが行われ参加メンバーの受講目的を抜粋する。
- これからPMになるうえでの初歩学習
- PM経験者で課題解決したい
- PJ炎上時の対策方法を知りたい
- 見積精度を上げたい
講座内容(1日コース)
プログラムメニュー
- 午前(9:30-12:00 1h毎に10分休憩)
・事前アンケート結果共有
・プロジェクトの歴史
・プロジェクトの特徴、成功基準
★グループワーク①:自分視点/他者視点でのプロジェクト成功基準を考えてみよう
・プロジェクトマネジメントとは
・プロジェクトマネージャーの特徴 - 午後(13:00-17:30 1h毎に10分休憩)
・プロジェクトマネジメント・プロセス(PMBOK準拠)
・立ち上げプロセス
・プロジェクト憲章
★グループワーク②:プロジェクト憲章を作成してみよう
・ステークホルダーの特定
・計画プロセス
・スコープ計画(WBS)
・リソース計画(RAM、内外製分析)
・スケジュール作成(クリティカルパス法)
・コスト計算
・リスクマネジメント
・リスク特定
・リスク対応策(回避、軽減、受容etc)
★グループワーク③:鞄をなくしそうな部長へのリスク対応策を考えよう
・実行プロセス
・チームビルディング
・監視
・コントロールプロセス
・進捗管理
・スコープ変更管理
・リスク監視
・終結プロセス
・リソースの解放
・最終報告書 - 終了後(17:30-)
・受講後アンケート提出&質問時間
・研修終了(アンケート提出し各自退出)
グループワーク
①自分視点/他者視点でのプロジェクト成功基準を考えてみよう
個別シンクタイム:3分、グループトーク:7分、グループ毎の発表:10分
Q.どうなるとプロジェクト成功と思うか、自分視点と他者(想定)視点で考えてみよう
・自分視点(抜粋):
PJメンバのスキルアップ、顧客との契約拡大、メンバの収入、成果物提出
・他者視点(抜粋):
要望の満足、利益、成果物の活用、自社の社会的価値向上、付加価値提供
【私の気づき】
・特になし。
割と全員似たような回答だった。それなりに仕事をしていれば想像できる範囲。
【講師コメント】
・プロジェクトには様々な人からの期待がある事を知ろう。
・プロジェクトマネジメントではそれら期待に優先度を決めて最大限こたえる事が重要。
②プロジェクト憲章を作成してみよう
個別シンクタイム:15分、グループトーク:15分、グループ毎の発表:20分
Q.自分が実際に関わっているPJ等をもとに(秘匿部分はぼかして)プロジェクト憲章を作成してみよう
・PJ番号(仮)、PJ名、背景、目的、目標予算、成果物、納期、終了条件 を記入
・私は「PM育成PJ」として書きました。他メンバは現実のPJで書いていました。
【私の気づき】
・目的欄や成果物欄に、顧客からの要求だけでなくプロジェクト側の目的も書いている人がいた
【講師コメント】
・目的欄や成果物欄に、顧客からの要求だけでなくプロジェクト側の目的も書いていい
・はじめから自社側と顧客側の目的/成果物を分けて書く憲章書式の会社もある
③鞄をなくしそうな部長へのリスク対策
個別シンクタイム:15分、グループトーク:15分、グループ毎の発表:20分
Q.新入社員歓迎会に参加予定の部長が酔っ払ってお気に入りの鞄をなくす可能性がある。部下達でリスク対策を考えよう。
・回避策、転嫁策、軽減策、受容策(積極的/消極的)を考える
・私は回避策として「部長に鞄を南京錠で括り付ける」と書きました。
→「部長に怒られる」という2次リスクを指摘されました。
・回避策「鞄にGPSを取り付ける」に対し「なくした時に効果を発する対応であるため積極的受容策だ」と指摘されました。
【私の気づき】
・リスク対策を上記のような区分で考えたことがなかった。対策効果が分かりやすくなった。
【講師コメント】
・2次リスク、残存リスクまで考慮すること。(例えば軽減策には必ず残存リスクがある)
・リスク許容度が分かっていないと合理的なマネジメントができない。
★勝ったら1万、負けたら100円のじゃんけん
→やる(リスク100円なら消極的受容でいい)
★勝ったら1億、負けたら100万のじゃんけん
→なやむ(100万のリスク対策費を事前に取っておく等)
私が学んだこと
・プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの要求事項を満足させるために、知識、スキル等をPJ活動に適用することである。
- プロジェクトの特徴は「有期性」と「独自性」である。
- あなたのプロジェクトには目的と目標が明記されているか。
- プロジェクトはさまざまな人の期待に優先度を決めて最大限こたえること。
- スコープクリープを抑えるためスコープ明確化と共有、除外事項の明確化を行うこと。
- 90年代以降のプロジェクトマネージメントではQCDだけでなくリソースや不確実性の管理も含む。
- PMBOKの考えるマネジメント要素の大半が計画プロセスにある=PMは計画が重要。
- 行政(法律)もステークホルダー。
- ステークホルダーは有限な時間のなかで出来るだけ初めに洗い出しきり、機械的に付き合う事がポイント。
- 過去案件からWBSを引き継ぐ事は多く、過去財産としては有用だが、WBSの本分を見失わないように。
所感
- プロジェクトマネージャーの仕事の全体概要について1日で学ぶことが出来ました。
- テキスト(80ページ)は多かったですが講師(山本さん)の説明が分かりやすかったです。
- プロマネ経験やPMBOKの知識がなくても、ある程度プロジェクト全体を意識しながら関わった経験があれば内容理解出来ると思います。
- 研修内容やテキストはPMBOK第6版の内容に準拠した内容(プロセスを軸とした話)と思われます。
雑感
- プロマネの実践的なポイントやコツについては語られていません。
- 時間配分が少し悪く、研修終盤16時頃からテキスト40~80ページ(実行プロセス以降)を駆け足で読まれてしまい、実務適用について考えたり参加者で感想共有するような時間がなかった点は残念でした。
- 参加者11名はほぼ同じような経歴でしたが、モチベーションや主体性はまちまち。研修後半はあくびをしている人がチラホラ。
- 研修終了後に質問時間がありましたが、質問したのは私だけでした。
最後に一言(結論)
これからPMになりたい人が全体概要を学ぶにはとても有用な研修でした。
– 以上 –