モーションキャプチャ技術と「mocopi」の利用技術
昨今の技術的進展において、「デジタルツイン」は非常に注目されている。この中でもモーションキャプチャは、リアルな動きをデジタルに変換し再現する技術として、映画やゲーム産業で重要な役割を果たしている。
しかし、この先進的な技術は、一般の人々には「機材導入」や「環境構築」などのハードルが高く感じられることが多い。
モーションキャプチャの種類
モーションキャプチャにはいくつかの方式が存在する。
- 光学式
複数のカメラと反射マーカーを用いて行う広いスペースが必要となるため、専用のスタジオなどで行われることが多い - 慣性センサ式
角速度計、加速度計からなる慣性センサを身体に装着し計測した情報から逆算して位置、姿勢を求める。絶対位置の精度が低い、時間経過で誤差が累積しやすいが、計測場所に対する自由度が高い - 機械式
ポテンショメータ、エンコーダといった機械的に回転角や変位を測定するセンサを利用
パワードスーツの内部で用いられることが多い - 磁気式
磁気センサを装着し磁気発生装置から磁場を送り、検出した磁力線をもとに位置、姿勢を求める。金属、電気製品が近くにあると磁界に影響を受けやすく、計測可能範囲が狭い - ビデオ式
撮影された映像を解析し、3Dモーションファイルとして取り込む技術少ない設備で済む - その他 – Kinect
RGBカメラ、深度センサーなどを用いて位置や動き、声、顔を認識することができる
装着する部品のようなものはなく、安価ながら実用レベルの性能が確保されている
これらの中で「慣性センサ式」はその精度と利便性で多くの注目を集めている。
そして、この方式を採用した最新のデバイスが「mocopi」である。
Mocopiとは
ソニーが開発したモーションキャプチャーシステムで、6つのセンサーを身に着けることで、自分の動きを追跡することができます。
Mocopiは、Bluetoothを介してスマートフォンと接続され、専用のアプリを使用して動きをキャプチャし、仮想コンテンツの作成に使用できます。
Mocopiは、Unity、MotionBuilder、およびUnreal Engineの受信プラグインから構成されるSDKも提供しており、スマートフォンアプリと連携して、様々なデバイス、PC、VRヘッドセットでMocopiのモーションデータを利用したアプリケーションを簡単に開発することができます。
Mocopiは、VTuberやアニメーション制作に関わるクリエイターにとって、時間や場所の制約から解放された高精度なモーションキャプチャーシステムとして注目されてます。MOCOPIの詳細はこちらからどうぞ。
mocopiの特徴とメリット
今年1月に発売された「mocopi」は、個人でも手軽にモーションキャプチャを体験できる製品として話題を呼んでいる。このデバイスの最大の特徴は、スマートフォンを使用して簡単にモーションキャプチャを行える点だ。
具体的には、体の6カ所に取り付けるセンサーで関節の位置を特定し、それを元に全身の関節位置をリアルタイムで推定する。そして、この情報はスマートフォンとのBluetooth接続を通じて収集され、さらにUDP通信を使ってPC上の3Dモデルを動かすことが可能となる。
また、mocopiの魅力はリアルタイムトラッキングだけにとどまらない。動きをモーションファイルとして保存することができ、これによりユーザーは自分の体を使ってオリジナルのモーションを作成できる。さらに、これらのモーションファイルを基に、モーションのコピー、ループなど様々なプログラムを組むことも可能となる。
まとめ
モーションキャプチャは、リアルな動きをデジタルで再現する驚異的な技術である。そして、mocopiはその技術を手軽に身近に持ってきてくれた製品だ。映画やゲームの制作だけでなく、様々なアプリケーションでの利用が期待されるmocopiの今後に目が離せない。
アーパボー