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ミネベアミツミのロボット戦略|CES2026で披露したハンド技術を解説


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※本記事は継続的に「最新情報にアップデート、読者支援機能の強化」を実施しています(履歴は末尾参照)。

ミネベアミツミがロボット事業強化|CES2026で披露した「107個のベアリング」技術

この記事を読むと、ミネベアミツミのロボット/Physical AI戦略について「何が争点で、どこまでが確度の高い事実か」が整理でき、投資・事業企画・技術検討の次アクションを決められます。

この記事の結論:
  • 直感の比喩:ミネベアミツミは、Physical AIの「筋肉と関節(モーターとベアリング)」を押さえにいく会社です。
  • 勝ち筋:107個の極小ベアリング×モーター×センサーを束ね、指を「汎用モジュール」にして標準部品の座を狙う。
  • 追い風:データセンター冷却(ファン)と車載で量産と投資が回り、ロボット部品の立上げを加速できる。
  • 論点:採用社数・量産立上げ(歩留まり/コスト)・供給能力が、覇権と収益の取り分を決める。

この記事の著者・監修者 ケニー狩野(Kenny Kano)

Arpable 編集部(Arpable Tech Team)
株式会社アープに所属するテクノロジーリサーチチーム。人工知能の社会実装をミッションとし、最新の技術動向と実用的なノウハウを発信している。
役職(株)アープ取締役。Society 5.0振興協会・AI社会実装推進委員長。中小企業診断士、PMP。著書『リアル・イノベーション・マインド』

なぜ今、ミネベアミツミのロボット戦略が注目されるのか

Physical AIとは、AIが現実世界で「動く・触る・運ぶ」を実行するために、認識/判断(モデル)と、センサー/アクチュエータ制御(身体)を統合した技術領域です。

“賢さ”の次は、“身体”の競争になる

生成AIの進化で「考える」部分は一気に前進しました。次の勝負は、現実世界で確実に動くための部品・量産・制御――つまり“身体性”です。

2026年1月、ラスベガスで開催されたCES 2026において、ミネベアミツミが初出展し、会場で大きな注目を集めた。展示されたのは、指1本で5kg級の重量物を持ち上げることが可能なロボットハンドだ。このハンド1つに、なんと107個ものベアリングが組み込まれているという。

ベアリングやモーターといった「見えない部品」で世界トップシェア級の技術を持つミネベアミツミが、なぜ今、Physical AIを見据えたロボット向け部品ビジネスを前面に打ち出し始めたのか。同社の戦略から、2026年以降のロボット産業の方向性が見えてくる。

ミネベアミツミとは──「見えない巨人」が支える産業インフラ

ベアリング世界首位級の精密部品メーカーで、「8本槍」と相合による“技術の掛け算”が強み。

ミネベアミツミは、1951年に日本初のミニチュアベアリング専門メーカーとして創業した精密部品メーカーだ。小径・ミニチュアサイズのボールベアリングでは世界シェア首位、HDD用ピボットアッセンブリでは世界シェア首位級とされる。ここでの「首位級」は、同社が投資家向け資料などで“世界トップレベル”と位置付ける領域を指す。2025年3月期の連結売上高は1兆5,227億円、従業員数は約8.3万人規模という巨大企業でありながら、一般消費者には馴染みが薄い存在だ。

それもそのはず、同社の製品は「あらゆるものに こっそり ごっそり 入っている」(同社のCMキャッチコピー)ように、最終製品の内部に組み込まれる部品だからだ。あなたのスマートフォン、パソコン、自動車、家電製品──その多くにミネベアミツミの部品が使われている可能性が高い。

「8本槍」戦略──技術の組み合わせで勝負する

ミネベアミツミの事業戦略の核となるのが「8本槍」と呼ばれる主力製品群だ。

  • ベアリング
  • モーター
  • アナログ半導体
  • アクセス製品
  • センサー
  • コネクター/スイッチ
  • 電源
  • 無線/通信/ソフトウェア

これらは単体でも高い競争力を持つが、真の強みは「相合(そうごう)」と呼ばれる思想にある。単に部品を並べるのではない。『超低摩擦(ベアリング)』×『精密駆動(モーター)』×『微細制御(アナログ/制御)』を“同じ思想と品質基準”で束ねることで、性能だけでなく工程・品質・供給まで含めた再現性の壁を作る。これが、同社が「部品屋」にとどまらず、Physical AI時代の標準モジュール供給者へ寄っていく鍵になる。

例えば、センサーとモーターを組み合わせ、独自のアルゴリズムで最適な制御を実現する。この「技術の掛け算」こそが、ミネベアミツミの競争優位性の源泉となっている。同社は11カ国に19の開発拠点、18の製造拠点を持ち、グローバルな垂直統合生産体制を構築している。

Physical AI時代の到来──なぜ今「精密部品」が重要なのか

ソフトウェアの成熟で次の主戦場が“身体”になり、精密部品と量産技術がボトルネックになる。

2024年から2025年にかけて、AI業界に大きな転換点が訪れた。ChatGPTに代表される大規模言語モデル(LLM)は今も進化を続ける一方で、競争の重心は「考える」だけでなく、現実世界で確実に動くための“身体”(部品・量産・制御)へと広がり始めた。次のフロンティアとしてPhysical AI(物理的世界で動作するAI)に注目が集まり始めたのだ。

ヒューマノイドロボットブームの背景

Figure AI、Tesla Optimus、中国のUnitreeなど、世界中でヒューマノイドロボット(人型ロボット)の開発競争が激化している。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは「Physical AIの時代が来る」と明言し、ソフトバンクはABBのロボティクス事業について買収合意を発表するなど、大型投資が相次いでいる。

背景にあるのは、ソフトウェア側の準備が整ったという認識だ。視覚認識、自然言語理解、マルチモーダルAIといった要素技術が実用レベルに達し、ロボットを「賢く」することは可能になった。残る課題は、現実世界で精密に動作する「身体」の実現だ。

ハードウェアがボトルネックに

ミネベアミツミの貝沼由久会長は「2030年代にはロボットの数が爆発的に増える」と予測する。しかし、その実現には大きな技術的ハードルがある。

  • アクチュエーター(モーター)の小型化と高トルク化
  • センサーの高精度化とリアルタイム処理
  • 減速機・ベアリングの耐久性と精密制御
  • これら全てを統合する制御システム

特にヒューマノイドロボットの場合、人間並みのサイズで人間以上の力と精度を実現する必要がある。ここで重要になるのが、長年にわたって蓄積された精密加工技術量産ノウハウだ。ソフトウェアは急速に進化できるが、ハードウェアの製造技術は一朝一夕には身につかない。

何が起きているか:CES2026での衝撃と、107個ベアリングの意味

ミネベアミツミがCES 2026で披露したロボットハンドは、まさにこの「ハードウェアの壁」を突破する技術の結晶だった。

  • 要点:CES 2026で展示されたロボットハンドは、ハンド1台あたりベアリング107個など多数部品を搭載し、スピードとパワーの両立を狙った(公式資料に明記)。
  • 元ネタ:決算説明会資料(PDF)(投資家向け資料)
  • 今のところ:As of 2026-02-05 / 条件:同社IR資料内「トピックス:ヒューマノイドロボット」スライド記載
  • 確認日:

2系統のアクチュエーターで両立した「力」と「速度」

従来のロボットハンドは、力(高トルク)速度のどちらかを選ぶ必要があった。重いものを持つには強力なモーターが必要だが、そうすると動作が遅くなる。逆に素早く動くには軽量なモーターが必要だが、把持力が弱くなる。

ミネベアミツミのロボットハンドは、各指に高トルク用と高スピード用の2系統のアクチュエーターを搭載することで、この相反する要求を両立させた。デモンストレーションでは、指1本で5kg級の物体を持ち上げつつ、パペットを操るような繊細な動きもこなせる様子が示された。

さらに驚くべきは、カメラで撮影した人間の手の動きをほぼリアルタイムで再現できる点だ。これはセンサー情報の高速処理とモーター制御の精密さがあって初めて実現できる。

107個のベアリングが支える精密制御

このロボットハンド1つに使われているベアリングの数は107個。なぜこれほど多くのベアリングが必要なのか。

ベアリングは回転部の摩擦を減らし、滑らかな動きを実現する部品だ。ロボットの関節や指の曲げ伸ばしには、数多くの回転機構が必要になる。そしてその一つ一つに、高精度なベアリングが組み込まれている。

ミネベアミツミは小径ベアリングの世界首位メーカーとして、数ミリ単位の超小型ベアリングを量産する技術を持つ。ベアリングによる摩擦の極小化は、制御データに乗る“物理的ノイズ”(摩擦変動やスティクション由来の不確かさ)を減らすことにもつながる。こうした非線形要因が小さいほど、シミュレーションと現実のギャップ(Sim-to-Real)を縮めやすくなり、学習・制御の安定性を上げられる。107個のベアリングは、AIを「より賢く動かす」ための土台としての“透明な身体”を作っている、と言い換えられる。これは、学習済みモデルを量産機にそのまま載せても性能がブレにくく、追加の再調整や再学習コストが膨らみにくいという意味で、スケール時の採算性に効いてくる

「汎用指モジュール」として事業化へ

ミネベアミツミは、このロボットハンドで示した構成要素を、ヒューマノイド向けの「汎用指モジュール」として展開していく構想を示唆している(現時点ではプロトタイプ段階)。

これが実現すれば、完成品ロボットではなく「指・関節モジュール」の標準化を通じて、ロボット業界のエコシステムが大きく変わる可能性がある。スマートフォンがクアルコムのチップやソニーのカメラセンサーといった標準部品で構成されるように、ヒューマノイドロボットも「ミネベアミツミの指モジュール」を使うのが当たり前になるかもしれない。

どう使えば勝てるか:ミネベアミツミが狙う市場と、見るべきKPI

ロボットハンド以外のAI戦略──3つの柱

ロボット向け部品だけでなく、データセンター需要・社内DX・IoTソリューションでもAIの波を取り込む。

ミネベアミツミのAI戦略は、ロボットハンドだけではない。同社は多面的にAI時代への対応を進めている。

1. 生成AI需要への対応──データセンター向けビジネス

貝沼会長は「データセンター関連の需要は成長ドライバーになる」と明言する。生成AIの演算には大量のGPUが必要で、それらは膨大な熱を発生させる。その冷却に使われるのが、ミネベアミツミのファンモーターだ。

AI需要の拡大に伴い、データセンター向けファンモーターは同社の成長ドライバーの一つとして位置付けられている(IRでもAIサーバー関連の事業機会拡大が繰り返し強調されている)。これはミネベアミツミにとって、AIの「供給側」としてのビジネスチャンスとなる。

2. 社内業務のAI活用──DX推進の取り組み

ミネベアミツミは2020年8月にAI・DX推進部門を新設し、社内業務の効率化にも取り組んでいる。

Google Cloudと連携し、工場設備の異常検知にAI/機械学習を活用する取り組みを進めている(As of 当該公開資料:クラウドベンダー/公開事例として紹介されている)。また、150名以上の社員がGoogle Cloud関連のトレーニングを受講し、DX人材の育成を進めている。

藤沢工場では、AI・DX推進チームが熱処理工程のデジタル化を実現した。これまで手書きで記録していた温度データを自動化し、異常の早期発見につなげている。こうした地道な取り組みが、製造現場の生産性向上に貢献している。

3. スマートシティ・IoTソリューション

福岡県飯塚市では、ミネベアミツミとプラグテックが共同で次世代駐車場システムの実証実験を行っている。

実証全体の構想としては、AIカメラによるナンバープレート認識と事前登録情報の照合でチケットレス・自動決済を実現し、パーキングセンサーで満空情報を配信し、将来的にはスマートフォンアプリからの予約まで一気通貫にすることを狙っている。

ここでもミネベアミツミの「相合」戦略が活きている。センサー技術、ネットワーク構築技術、そしてAIアルゴリズムを組み合わせた総合ソリューションだ。

今後の展開予測──ミネベアミツミが狙う市場

ヒューマノイド、協働ロボ、車載AIなど“精密駆動×センシング”が必要な市場を横取りに行く。

ヒューマノイドロボット市場の爆発的成長

調査会社の予測によれば、ヒューマノイドロボット市場は2030年代に本格的な成長期を迎えるとされる。物流の2024年問題、少子高齢化による労働力不足、危険作業の自動化ニーズなど、ロボットへの期待は高まる一方だ。

ミネベアミツミは、この成長市場で以下の製品群を展開できる立場にある。

  • ロボット用ベアリング(関節、減速機)
  • 高精度ステッピングモーター(位置制御)
  • 力覚センサー(把持力制御)
  • アクチュエーター統合モジュール(指、腕)

産業用ロボット・協働ロボット分野

ヒューマノイドだけでなく、従来型の産業用ロボットや人間と協働する協働ロボット分野でも、ミネベアミツミの技術は活用できる。

同社はルネサスエレクトロニクスと共同で、レゾルバー付きステッピングモーターを開発している。熱やホコリ、振動などの厳しい環境下でも高精度制御が可能で、工場や倉庫のAGV(無人搬送車)などに適している。

車載AI・自動運転分野

自動車業界のADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の発展も、ミネベアミツミにとってチャンスだ。

  • EV用モーター冷却システム
  • センサーフュージョン用の各種センサー
  • ステアリング・ブレーキ用アクチュエーター

すでに同社のベアリングやモーターは自動車業界で広く使われているが、AI・自動運転の進展により、さらに高精度な部品が求められるようになる。

2029年3月期売上高2.5兆円への道筋

ミネベアミツミは2029年3月期に連結売上高2.5兆円(営業利益2,500億円)を目指している。2025年3月期の1兆5,227億円から約1兆円の上積みが必要だ。

同社はこの成長を、既存事業の深化、新分野(ヒューマノイドロボット、AIサーバー、パワー半導体など)の開拓、M&Aの3つで実現する計画だ。Physical AI関連ビジネスは、この新分野開拓の中核を担う位置づけとなっている。

  • 要点:同社は2029年3月期に売上高2.5兆円(営業利益2,500億円)の長期目標を掲げ、進捗は「オントラック」との説明がある。
  • 元ネタ:決算説明会 2024年3月期 説明要旨(IR)
  • 今のところ:As of 2024-05-24 / 条件:説明要旨に「2029年3月期2.5兆円目標はほぼオントラック」記載
  • 確認日:

補足:売上急増の主因は「合併そのもの」より「統合後の拡大」

売上の急増は「ミツミとの合併そのもの」だけで説明するより、統合後の事業拡大(追加M&A+成長市場の取り込み)まで含めて捉えるほうが実態に近い。

時系列でみたポイント
  • 2017年1月:ミツミを統合
  • 2018年3月期:ミツミ事業の通期寄与で売上は8,791億円まで上昇。この段階で、いわゆる“合併効果”は概ね織り込み済みと考えられる。
  • 2020年3月期:売上は9,784億円。統合後のベースの上で、ミツミ事業の伸長や追加M&Aの寄与、自動車・産業機械向けの拡大が積み上がった。
  • 2021〜2025年3月期:売上は9,884億円 → 1兆1,241億円 → 1兆2,922億円 → 1兆4,021億円 → 1兆5,227億円と段階的に成長。データセンター向けファンモーター、車載向けモーター、半導体・電子デバイス市況の持ち直し、航空機部品の回復などが追い風になった。
要因の整理

まとめると、「土台を作ったのがミネベア×ミツミの統合」であり、「伸びを加速させたのはデータセンター・車載などの成長市場+追加M&A・設備投資」という二段構えで理解するのが分かりやすい。

結論:ヒューマノイドで差が出るのはAIモデル単体ではなく、指・関節の精密駆動(ベアリング/減速/モーター)を量産コストで成立させられるかです。

ロボット事業の「勝ち筋」比較(比較条件:量産性/採用障壁/差別化持続性/期間:2026年時点の整理/データ源:本文の事実・IR・公開報道)
評価軸 モジュール化(汎用指) 単体部品供給
量産の強み 高い(部品×制御の束ねで付加価値を取りやすい) 中(価格競争に寄りやすい)
採用のしやすさ 中(標準化/互換性が鍵) 高(置き換えやすい)
判定根拠 Physical AIはハード量産がボトルネック化しやすく、「束ね(相合)」で採用後のスイッチングコストを作れる側が有利。

次に確認したい3つの質問(事業/投資のためのチェック)

  • 採用は「何社・どの用途」まで進んでいるか(PoC→量産の壁を越えたか)
  • 量産の勝負どころはどこか(歩留まり・コスト・供給能力・品質保証)
  • 収益の取り分はどう設計されるか(モジュール単価、サプライ契約、共同開発の範囲)

日本の製造業がAI時代に生き残る道

部品単体ではなく、複数技術を束ねたソリューション化が勝ち筋になる。

ミネベアミツミの戦略から見えてくるのは、「AI時代において日本の製造業が勝てる領域」の一つの形だ。

生成AIやソフトウェア開発では米国や中国の企業に後れを取っているが、Physical AIの実現には高精度な物理部品が不可欠だ。そしてこの領域こそ、日本の製造業が長年磨いてきた強みが活きる。

ただし、単なる「部品屋」では生き残れない。ミネベアミツミの「相合」戦略──複数技術の組み合わせによるソリューション提供──は、付加価値を高めるための重要なアプローチだ。

また、同社はM&Aにも積極的だ。2024年には日立製作所からパワー半導体事業を買収し、ミネベアパワーデバイスを設立した。自前主義にこだわらず、必要な技術を外部から取り込む柔軟性も持ち合わせている。

まとめ──「見えない巨人」の静かなる野心

Physical AIの“足回り”を押さえることで、次の成長ドライバーを取りに行く戦略が見える。

ミネベアミツミは派手なAI企業ではない。もちろん、ChatGPTのような華々しいプロダクトを世に出すわけでもない。しかし、Physical AIの時代において、同社のような「インフラを支える企業」の重要性は増す一方だ。

CES 2026で披露された107個のベアリングを搭載するロボットハンドは、単なる技術デモにとどまらず、ミネベアミツミがPhysical AI時代にどう貢献し得るかを“部品の束ね方”で示した象徴的な展示だった。

2026年以降、注目すべきは以下のポイントだ。

  • 汎用指モジュールの事業化とロボットメーカーへの採用状況
  • データセンター向けファンモーター事業の成長
  • AI・DX推進による社内製造プロセスの変革
  • M&Aによる技術ポートフォリオの拡大

ロボットが街中を歩き、工場で働き、家庭でサービスを提供する未来。その実現を陰で支えるのは、ミネベアミツミのような「見えない巨人」かもしれない。Physical AI時代の幕開けとともに、同社の真価が問われる時代が始まっている。

専門用語まとめ

Physical AI
AIが物理世界で行動するために、認識/判断(モデル)と、センサー/アクチュエータ制御(身体)を統合した領域。
ベアリング
回転部の摩擦を減らし、滑らかな動きと耐久性を支える機械要素。ロボット関節・指機構では多数搭載される。
アクチュエーター
電気エネルギーを運動へ変換し、関節や指などを動かす駆動要素(モーター+減速機+制御などを含むこともある)。
相合(そうごう)
複数の技術要素(部品、制御、ソフト等)を組み合わせ、単体部品ではなくソリューション価値として提供する思想。
汎用指モジュール
特定メーカー専用品ではなく、多様なヒューマノイドに組み込めることを狙った指(ハンド)機構の標準部品コンセプト。
データセンター向けファンモーター
高発熱なAIサーバーを冷却するために使われるファンの駆動部。GPU需要の拡大により市場が伸びやすい。
As of
数値や主張の「時点」を明示する表記。期間条件・データ源とセットで書くと検証可能性が上がる。

よくある質問(FAQ)

Q1. この記事の要点は何ですか?

A1. ミネベアミツミは「107個のベアリング」級の精密駆動を量産できる強みを武器に、指を汎用モジュール化してPhysical AI時代の標準部品の座を狙っています。

Q2. なぜロボットハンドにベアリングが大量に必要なのですか?

A2. 指や関節は回転・摺動が連続するため、摩擦低減とガタ抑制が必須で、精密機構ほどベアリング点数が増えやすいからです。

Q3. 「107個」という数は、何を意味しますか?

A3. “精密な身体を量産できる会社”かどうかを示す指標で、点数が多いほど部品供給・組立・品質保証の総合力が問われます。

Q4. 事業担当が最初に見るべきKPIは何ですか?

A4. 採用社数(PoC→量産)、量産立上げ(歩留まり/コスト)、供給能力(サプライ制約)の3点が最重要です。

Q5. 売上成長は「ミツミ統合」が主因ですか?

A5. 統合で売上水準の土台は上がりましたが、2020年以降の伸びはデータセンター・車載など成長市場の取り込みと追加M&Aの寄与が主因、という二段構えで理解するのが近いです。

今日のお持ち帰り3ポイント

  • 「107個ベアリング」は、精密駆動を量産できる企業の総合力を示すサイン。
  • 相合=部品単体ではなく“束ね(モジュール化)”で付加価値を取りにいく戦略。
  • データセンター/車載の量産投資が、ロボット部品の立上げスピードを押し上げる。

主な参考サイト

本記事は一次情報を軸に執筆しています。公式発表・決算資料・投資家向け説明資料を優先し、外部リンクで検証可能性を担保します(As of/条件も併記)。

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  • 初版公開(テンプレv10.1適合:結論ブロック/定義/Fact/比較表/FAQ/Schema/参照導線を追加)


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